EU上級代表、ウクライナの汚職犯罪摘発につき「極めて遺憾」

欧州連合(EU)のカラス外務・安全保障政策担当上級代表は、ウクライナのエネルギー分野の大型汚職犯罪が摘発されたことについて、「極めて遺憾だ」と形容し、ウクライナは本件に真剣に向き合わねばならないと警告した。

12日、カラス外務・安全保障政策担当上級代表がカナダ・ナイアガラでのG7外相会合の会場内でロイターにコメントした

カラス氏は、「彼らは非常に強力に行動している。汚職に居場所はない、特に今はそうだ。文字通り、国民のお金は最前線に送られなければならないという意味だ」と発言した。

また同氏は、「彼らがこれを非常に迅速に進め、非常に真剣に受け止めることが極めて重要だと思っている」と補足した。

これに先立ち、10日、ウクライナの政権高官の汚職犯罪に特化した捜査機関「国家汚職対策局」(NABU)の捜査官が、ビジネスマンでゼレンシキー宇大統領がかつて所属していた「第95街区」のスタジオ共同所有者であるティムール・ミンジチ氏と、以前エネルギー相を務めていたヘルマン・ハルシチェンコ司法相の家宅捜索を実施していた

また、NABUは、11日、エネルギー分野における汚職事件の捜査の一環として、5人を拘束し、7人に容疑を通知したと公表した

汚職犯罪調査報道プロジェクト「スヘーミ」によれば、この7人の容疑者はティムール・ミンジチ(音声記録上のコードネームは「カルルソン」、ゼレンシキー宇大統領の元ビジネスパートナー)、イーホル・ミロニューク(同「ロケート」、元エネルギー相顧問)、ドミトロー・バソヴァ(同「テノール」、原子力発電公社「エネルホアトム」安全担当執行役員)、オレクサンドル・ツケルマン(同「シュハルメン」)、イーホル・フルセンコ(同「リョーシク」)、レーシャ・ウスティメンコ、リュドミラ・ゾリナ。

ウクライナ閣僚会議(内閣)は12日、汚職犯罪事件の捜査で家宅捜索を受けたヘルマン・ハルシチェンコ司法相の職務を停止している

ゼレンシキー宇大統領は12日、このエネルギー部門の大規模汚職犯罪摘発に関連して、ヘルマン・ハルシチェンコ司法相とスヴィトラーナ・フリンチューク・エネルギー相は辞任すべきだと発言している

現時点で、拘束された4名の勾留が決定している。同時に、国境警備庁の情報では、ミンジチ容疑者とツケルマン容疑者は、家宅捜索の行われる前にウクライナから出国したことが判明している。ゼレンシキー大統領は13日、ミンジチ容疑者とツケルマン容疑者に対して制裁を発動する国家安全保障国防会議(NSDC)の決定を発効させている