ウクライナ児童の返還についてロシアとの直接交渉は不可能 仲介国を通じて取り組んでいる=ゼレンシキー宇大統領

ウクライナのゼレンシキー大統領は12日、ウクライナは児童の返還に関しては、ロシアと合意することができず、仲介者を通じて取り組まざるを得なくなっていると発言した。

ゼレンシキー大統領が記者団とのやり取りの際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ゼレンシキー氏は、「私たちは子どもたちの返還について彼らと合意することはできない。私たちは仲介の任務を担ってくれている他国と合意している。最も成功したのはカタールだ。今のところ彼らが私たちを助けてくれている。私たちは彼らに連絡を取り、リストを渡すと、彼らが(編集注:児童を)取り戻してくれている。バチカンも成功しており、ズッピ枢機卿がフランシスコ教皇とレオ教皇のもとでこのプロセスを管理している」と語った。

また同氏は、3者フォーマット(編集注:ウクライナとロシアと仲介国のフォーマット)で、ウクライナは停戦、捕虜の「全員対全員」交換、児童返還という主な問題に終止符を打ちたいと考えていると述べた。同氏は加えて、これは全ての当事者にとって有利な妥協だとし、「トランプ大統領は勝ち、ロシア人は何も失わず、ウクライナ人も何も失わない」と指摘した。

同氏はその際、そのような妥協を達成するには、停戦に時間を割く必要があると指摘した。そして同氏は、誰が停戦を主導するかにかかわらず、停戦により、計画を準備し、戦争終結への道筋を議論するための様々なレベルでの一連の会談の実施が可能になると述べた。

同時に同氏は、ロシアが最後通牒を出し続けている限り、妥協は不可能だと指摘し、「プーチンは常に最後通牒で話している。しかし、トランプに対しても最後通牒で話すだけの力は彼にはないと思う」と補足した。

写真:大統領府