欧州委員会、ウクライナが行うべき5つの法の支配分野重要改革に言及
欧州連合(EU)の欧州委員会は、ウクライナ政権に対し、法の支配の強化のために近い将来に5つの具体的措置を実施することを期待している。
7月31日、メルシエ欧州委員会報道官が記者会見時に発言した。ウクルインフォルム特派員が伝えた。
メルシエ報道官は、「短期的には、私たちは、ウクライナが様々な問題で法の支配分野において進展を遂げることを期待している。第一に、ウクライナはウクライナ経済保安庁の長官を迅速に任命する必要がある。また、ウクライナは「高等裁判官選考委員会(HQCJ)」の委員を選出するための選考委員会に、国際専門家の参加を回復させる必要がある。続いて、ウクライナは、国際的な審査を通過した憲法裁判所の裁判官4人の任命を継続する必要があり、さらに刑法典の問題のある改正案を却下しなければならず、また行政法典法を採択する必要がある」と述べた。
同氏はさらに、「法の支配の様々な分野におけるこれら全ての面での進展の達成は、私たちにとって非常に重要なステップであり、ウクライナは法の支配を強化する必要がある」と強調した。
加えて同氏は、EU加盟への道における進展達成に必要な改革の良好なテンポを維持するには、努力と献身が必要だと指摘した。そして同氏は、「私たちは、これらの改革が困難であることを理解しているが、それが前進する上での唯一の道だ」と強調した。
これに先立ち、31日、ウクライナ最高会議は、汚職対策機関の独立性を回復する法案を採択し、その後ゼレンシキー宇大統領が同法案に署名していた。
また、最高会議は22日、NABUとSAPの権限を縮小する法律を採択していた。
同採択後、クリヴォノスNABU局長は、ゼレンシキー大統領に対して、同法が発効すれば「2つの独立機関、NABUとSAPは、事実上、完全に依存状態に置かれてしまう」ため、同法に署名しないように呼びかけていたが、同日、ゼレンシキー大統領は、同法に署名した。
キーウなどウクライナ各地では、連日最高会議が採択した汚職対策機関の権限縮小を定める法律に反対する市民が抗議集会を開催し、ゼレンシキー大統領に同法案への拒否権を発動するよう要求。
23日、NABUとSAPは、前日採択された両機関権限制限法により、両機関の独立が著しく制限されると表明していた。
24日、ゼレンシキー大統領は、最高会議に両機関の権限を回復し、独立を確保する新しい法案第13533を提出。NABUとSAPは同日、ゼレンシキー大統領が提出した法案第13533は両機関の独立性のあらゆる保証を回復するものだと表明した。
31日は、朝から最高会議近くの広場で、同法案採択を要求する市民が抗議集会を開催していた。