イスタンブルで「黒海穀物回廊」の効力延長協議 合意なく、継続協議へ

10、11日、トルコ・イスタンブルにて、ウクライナの黒海沿岸の海洋港から農産物の安全な輸出を保証する「黒海穀物イニシアティブ」の効力延長をめぐって、ウクライナ、トルコ、ロシアの国防次官と国連代表者の協議が行われた。効力延長については合意に至らず、同協議を近々再開すること、ウクライナでの停泊を余儀なくされている船舶と乗船員の帰還について合意したと発表された。

トルコ国防省広報室が公表した

発表には、「近く、穀物イニシアティブの効果的活動の確保のために、トルコが場所を提供する、4者フォーマットの技術レベルでの作業を継続することが合意された」と書かれている。

その他、紛争によりウクライナの港に取り残されていたトルコの商船とその乗船員の帰還の調整、避難の計画と実施に関して、肯定的アプローチが表明されたとも発表された。

さらに、黒海穀物イニシアティブが世界の食料価格の安定に貢献したこと、世界の食料供給と安全保障にとって重要な意義を持つことが確認されている。

その他、ウクライナのクブラコウ復興担当副首相兼地域発展・インフラ相は、フェイスブック・アカウントにて、ウクライナ代表団は、協議の際に、黒海イニシアティブは、その更新期間をこれまでより長いものにし、拡大しなければならないと訴えたと伝えた。同氏は、それは世界とウクライナの市場に予想可能性と確実性をもたらすものだと指摘した。

そしてクブラコウ氏は、「しかし、そのためには、入港する船団の登録の再開と人為的な遅延なく、共同調整センターの手続きに従った(船舶の)検査の再開が必要だ」と書き込んだ。

これに先立ち、2022年7月22日、イスタンブルにて、ウクライナとトルコと国連、及び、ロシアとトルコと国連がそれぞれ、ウクライナの海洋港の封鎖を解除し、ウクライナ産農作物を輸出できるようにするための合意を締結していた。同合意は、120日間継続し、当事者の合意により延長できることになっていた。これまでに、2022年11月と2023年3月に合意の延長が行われている。

写真:トルコ国防省