西側がウクライナをNATOへ加盟させていたら、ロシアの侵攻は回避できた=ジョンソン元英首相

ジョンソン元英首相は、西側諸国がウクライナを北大西洋条約機構(NATO)へ加盟させる勇気と一貫性を持っていたら、ロシアの対ウクライナ全面侵攻は回避できたであろうとの見方を示した。

ジョンソン氏が米ワシントンポスト紙への寄稿にて指摘した

ジョンソン氏は、「数十年にわたり、私たちは、NATOとウクライナの題目につき、外交的二枚舌を利用してきたのであり、それは完全な災難の結果で終わった。私たちは、ウクライナ人に対して、私たちはNATOにて『オープンドア』政策を採っており、彼らは『自らの運命を選ぶ』権利がある、ロシアは拒否権を行使すべきでないと伝えてきた。その間ずっと、私たちは、ウクライナは決してNATOには加盟することはない、なぜなら非常に多くのNATO加盟国が自らの拒否権を自分対して行使しているからだと、モスクワに対してはっきりと伝えていたのだ」と指摘した。

そして同氏は、その結果、欧州における過去80年間で最悪の戦争が生じたのだとし、プーチン露大統領が数え切れない人の命、家、希望、夢を破壊していることを喚起した。

さらに同氏は、「プーチンは、ウクライナがNATOに加盟しようとしていると考えたから侵攻したのではない。彼は常に、それが蓋然性の低いことだと知っていた。彼は、私たちがウクライナの防衛にあまり真剣に向き合っていないと思ったから、ウクライナを攻撃したのだ。それには多くの証拠がある」と述べ、「仮に私たちがウクライナをNATOへ入れるだけ十分に勇気があり、一貫していたら、仮に私たちが話していたことを本当に思っていたのなら、この完全な災難は回避できたであろう」と強調した。

同氏はまた、世論調査では、現在ウクライナにおけるNATO加盟支持は83%と非常に高いと指摘した。

同氏は、「現在、ウクライナの人々はNATO加盟国からの目の眩むような大量の多種多様な装備を極めて上手に、かつ勇気を持って利用している。NATOがウクライナ人たちに戦争の戦い方について教えられることは全く何もないだろう。実際には、彼らが私たちに教えられるであろうことがたくさんあるのだ」と主張した。

そして同氏は、「ウクライナ人は、この戦争をできるだけ迅速に終わらせるために必要なあらゆるものを与えられるべきだ」と強調した。

写真:ウクライナ大統領府