ウクライナへの戦車提供の決定は、ロシアによるエスカレーションへの対応=EU報道官

欧州連合(EU)のスタノ報道官は30日、EUがウクライナに戦車を提供する決定を支持したのは、ロシア連邦側からのエスカレーションへの対応としてであるとし、EUは今後もウクライナが自衛権を行使できるように支援を続けると発言した。

スタノ報道官がブリュッセルでの記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

スタノ氏は、「ウクライナへの戦車供給決定は、ロシアからのエスカレーションの水準が上がったことを背景に、ウクライナの自衛を支援するというEUの決断力から出たものだ。つまり、それはすでに約1年ウクライナへ犯罪的でいわれのない侵攻を行い、民間人を殺し、民間インフラを壊し、飢餓を武器として利用しているロシアからのエスカレーションへの対応なのだ」と発言した。

同氏はまた、クレムリンはウクライナを破壊するためにエネルギーと食料も武器に変えようとしていると強調した。

さらに同氏は、「ロシアが自らの犯罪的侵略を止めないために、EUはウクライナの自衛を支援しなければならない。なぜなら、ウクライナは自国領と自国人を侵略から守っているからだ。侵略は、プーチン自身が述べたように、国と人々の殲滅を目的としたものだ。よって、私たちの行動はエスカレーションを目的としていない。それは、ロシアのエスカレーションに対する対応であり、ロシアがウクライナの民間対象物、民間人に対して展開している攻撃や流血への対応である」と発言した。

同時に同氏は、EUは全面的侵攻が始まるよりずっと前から平和的情勢解決の模索に関与してきたと喚起した。

同氏は、「その(編集注:ロシアの侵攻の)ほぼ1年前、EUは、ロシア側に、同国が抱く安全保障状況に関する、現存する、あるいはあり得る、あるいは現実の懸念につき協議することを提案していた。私たちはいつも、あらゆる中身のある平和的努力を支持する準備がある。その文脈で、私たちは、米国やその他の国際社会のメンバーを含む、私たちのパートナーたちと努力を緊密に調整している。なぜなら、主要な目的は、ウクライナへと平和をできるだけ早く戻すという、極めて喫緊なものだから」と発言した。