ゼレンシキー宇大統領、露産原油価格の上限額に不満表明

ウクライナのゼレンシキー大統領は3日、欧州連合(EU)理事会がロシア産石油価格の上限額を60ドルとする決定を下したことにつき、十分な制限ではないとし、「世界はロシアをエネルギー面で真に武装解除させることに踏み切れていない」と不満を表明した。

ゼレンシキー宇大統領が同日夜の動画メッセージで発言した

ゼレンシキー氏は、「世界では、残念ながら、真剣な決定のないまま、価格上限についての議論が終わった。つまり、ロシアの原油の輸出価格制限についての議論だ。なぜなら、ロシアの価格のために、テロ国家予算のために全くもって快適な制限を設けるという決定は真剣なものとは呼べないからだ。ロシアはもうエネルギー市場の意図的な不安定かによって世界の全ての国々に甚大な損害を与えている。それなのに、世界は、ロシアをエネルギー面で武装解除させることに全く踏み切れていないのだ。それは弱い立場である」と発言した。

同氏はまた、「より強力な手段を適用せざるを得なくなるのは、時間の問題である」とも発言した。

その上で、「残念なのは、その時間が失われることだ。ロジックははっきりしている。もしロシアの原油価格の制限が、例えば、ポーランドやバルト諸国が述べたような30ドルではなく、60ドルとなるのであれば、ロシアの予算は年間約1000億ドルを得ることになるのだ。その資金は戦争や、テロ体制・組織へのロシアのさらなる資金援助へ向けられるだけではない」とし、その資金は現在真剣な決定を回避しようとしている国の不安定かのためにも向けられるのだと強調した。

これに先立ち、EU理事会は3日、ロシア産原油への価格上限を1バレル60ドルに設定する決定を採択していた。

写真:大統領府