サリヴァン米大統領補佐官、ウクライナ訪問 「ロシアが平和のためには行動しているようには見えない」

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サリヴァン米大統領国家安全保障問題担当補佐官は4日、ウクライナ訪問時に、ロシアが「協議」について何を話そうとも、ロシアの行動は公正かつ持続可能な平和のための行動には見えないと指摘した。

サリヴァン米大統領補佐官がキーウ(キエフ)でのイェルマーク宇大統領府長官との共同記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

サリヴァン氏は、「ロシアの提案は全て、ロシアがウクライナにて力を使って奪った領土を手元に置いておくことから始まる。それが受け入れられないということは、私から聞くまでもない。それは、国連憲章に従って、受け入れられないのであり、国連憲章は他国の領土を力で奪うことを認めていないし、主権と領土に対する凶悪な侵害を認めていない」と発言した。

同氏はまた、「この戦争は非常に簡単に終わらせることが可能だ。戦争はロシアが始めることを決めたものであり、ロシアが、ウクライナへの攻撃とウクライナの占領を止めることで、この戦争を終わらせることを決められる。それが、私たちの見方での、ロシアがすべきことである」と指摘した。

さらに同氏は、重要な問題はウクライナにおける「公正な平和」がどのようなものか、それはどのように達成できるかだとし、「『隣国の領土併合』なる行動を含め、ロシアの発言や行動を見れば、彼らが協議について何を言ったところで、彼らの行動は平和のための何かのようには見えない」と発言した。

同氏は、米国の立場は、ウクライナの支持を受けた上で、ウクライナと国際社会のための公正で持続可能な平和を得るための条件についての協議を国際社会と行うべきというものだと発言した。

写真:イェウヘン・コテンコ/ウクルインフォルム

同記者会見時、イェルマーク宇大統領府長官は、サリヴァン氏との協議につき、「非常に広範な議題を話し合った。私は、この会談に非常に満足している。サリヴァン氏をウクライナで迎えられ嬉しい。思うに、これもまた1つのシグナルだ。私たちが正しい道にあること、私たちの勝利に向かって進んでいることを示す非常に強力なシグナルである」と発言した。

イェルマーク氏は、サリヴァン氏率いる訪問団には、ロシアによるウクライナの重要インフラへの攻撃や、黒海穀物回廊イニシアティブの実現状況について報告したと伝えた。

加えて同氏は、「私たちは、ウクライナに対するできるだけ早い時期での防空システムの提供について話し合った。私たちにとってそれはとてもとても重要だ。また、私たちは、被拘束者交換問題についても触れた」と報告した。

また同氏は、対露制裁についても協議したと伝えた。

同氏は、「米国は、私たちに最大の支援を提供している私たちの最大のパートナーである。そして今日、私たちは、私たちの勝利へ向けたウクライナ支援が不変であることについての確証を再び得た。私たちの友人、パートナーは、私たちとともにある彼らは、私たちの状況を完全に理解しており、彼らは私たちを支えており、私たちの他のパートナーたちの団結に向けた活動もしている。それは、G20会合を前に、重要なことである」と発言した。

ゼレンシキー宇大統領もまた同日、テレグラム・チャンネルにて、サリヴァン補佐官と会談したと報告し、その際、ヤロスラウ賢公勲章を授与したと伝えた。

なお、4日、米国防省は4日、ウクライナに提供する4億米ドル相当の新しい安全保障支援パッケージを発表していた