「スイスは中立国だが、ウクライナの人々への大規模殺人に注意を向けないで良いわけではない」=カシス大統領

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スイス連邦のカシス大統領は20日、スイスは中立国だが、しかし中立とは起きていることに注意を向けないでも良いことは意味しないし、人々の大量殺人と中立とは何の共通点もないと発言した。

キーウ(キエフ)を訪問したカシス・スイス大統領がゼレンシキー宇大統領との会談後共同記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

カシス氏は、自身は前回ウクライナを訪問してから1年経っていることから、自身にとって今回の戦争中のキーウ再訪は非常に感情的なものとなっていると述べた。

また同氏は、「スイスは最初からロシアの武力侵略を強く非難した。私たちは、ウクライナ支援のための具体的ステップを速やかに作成した。スイスは中立国だ。しかし、中立は、私たちがあなた方のところで起きていることに注意を向けないで良いことは意味しない。人々の大量殺人と中立や私たちの価値に、共通するものは一切ない」と発言した。

同氏はまた、ゼレンシキー大統領との会談前に、キーウ近郊を訪問したとし、そこでスイスの支援で再建された不自由のある子供たちのための幼稚園を訪れ、家を失い、仮設住宅で暮らしているウクライナの家族たちと話をしたと伝えた。

同氏は、「私が今朝目にしたものは、理解を超えている。私たちのところには劇的な映像が入ってきているが、自分で訪問してはじめて、私たちは蛮行、人々の苦しみについてのイメージを得られるのだ」と強調した。

さらに同氏は、戦争の最初からスイスは人道支援をはじめ、様々な分野の支援をウクライナに提供しようとしていると伝えた他、「私は3つの理由から今日ここにいる。私たちの行っており、行いたいと思っている外交努力について話すため。この戦争をできるだけ早く終わらせるため。そして、私たちが、すでに始まっているウクライナ復興プロセスを継続できるようにするためだ」と発言した。

また同氏は、ウクライナとの連帯を改めて表明した。「もう一度言わせて欲しい。スイスは、ウクライナにコミットしており、ロシアに対して沈静化と、ウクライナ領からの完全な軍の撤退を要請している」と発言した。