ロシア国民に正しい情報を伝える手段を見つけることが重要=ゼレンシキー宇大統領

ウクライナのゼレンシキー大統領は6日、ロシア国民はウクライナの報道を信頼していないとしつつ、彼らに正しい情報を伝える手段を見つけることの重要性を指摘した。

ゼレンシキー大統領が記者団に対して発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ゼレンシキー氏は、「私たちがしばしばロシア語やら英語やらでシグナルを出しても、そのロシア連邦の人々の前にはすでに壁がある。私は、彼らが理解を得ているとは思っていない。私は、彼らが信頼する人々が彼らと話したら、彼らは自分で理解し、自分で結論を出せると思っている。私は、ロシアの人々がウクライナのメディアを信頼している様子、ウクライナ大統領を信頼している様子は目にしていない。彼らにとって、私は全くの他者なのだ。私は、彼らに情報を伝える手段はあると思っている。それは作業すべき、非常に困難、もっとも困難な仕事の一つである」と発言した。同氏は、この問題への包括的な解決は今のところ目にしていないと補足した。

同時に同氏は、欧州連合(EU)がロシアのテレビ局複数に制裁を科して禁止したことで、国外の情報空間に空白が生じると指摘した。同氏は、「それら(編集注:ロシアのテレビ局)が閉鎖することで、その視聴者はロシア語情報を探し出すだろう。その時大切なのが、その空間を正しいチャンネルが占めることである」と述べ、それはウクライナのテレビ局やブロガーにとって新しい可能性になるかもしれないとの考えを示した。

なお、欧州連合(EU)は、2月24日のロシアによるウクライナへの全面侵攻を受け、ロシア国営メディア「RT」「スプートニク」の域内での放送・配信を禁止することを決定。同時にEU加盟各国でウクライナのテレビ・ラジオコンテンツの発信が始まっている

なお、日本では、NHKワールドJAPANは、3日からインターネット配信にウクライナ語の字幕提供を始め、また14日夜からウクライナ語のページを追加している。同時に、露国営プロパガンダメディアのスプートニク日本語版は、引き続き日本語による発信を続けている。

写真:大統領府