第6対露制裁は石油禁輸がなければ意味がない=ゼレンシキー宇大統領

ウクライナのゼレンシキー大統領は20日、次の第6対露制裁パッケージにロシアからの石油の禁輸措置が含まれなければ、その制裁は空っぽも同然となると発言した。

ゼレンシキー大統領がキーウ(キエフ)を訪問したミシェル欧州理事会議長との共同記者会見時に発言した。

ゼレンシキー氏は、同日のミシェル氏との会談では、対露制裁強化についても協議したと発言した。またゼレンシキー氏は、欧州連合(EU)が発動した第5対露制裁パッケージにつき謝意を伝えつつ、同時に、それだけではロシアの侵略を止めるには不十分だと強調した。

加えてゼレンシキー氏は、「私たちは、できるだけ早く次の、強力な、第6の制裁パッケージが採択されることを強く望んでいる。私たちは、石油と天然ガスの輸入を含む完全なエネルギー禁輸を呼びかけている。石油は、確実に第6パッケージに入らねばならない。それがなければ、私は、パッケージは強力どころか、空っぽとなるだろうと思っている」と発言した。

同氏はまた、ズベルバンクやガスプロム銀行を含む、ロシアの全ての銀行がSWIFT(国際銀行間通信協会)から遮断されねばならないとも強調した。

さらに同氏は、EUに対して、ロシアの国営企業の口座を全て凍結し、その資金をウクライナの復興にあてるよう呼びかけた。同氏は、「ロシアの公務員の一人一人の家族が、制裁の効果、個々人の対ウクライナ制裁への支持の結果を感じなければならない」と強調した。

なお、EUは、2月24日のロシアによる対ウクライナ全面的侵略の開始以降、ウクライナとの連帯を示し続けている。EUは、ウクライナへの武器供与のための15億ユーロの資金供与を発表している他、すでに5つの対露制裁パッケージを発動している。現在、第6対露制裁パッケージの準備が進んでいる。

写真:大統領府