ゼレンシキー宇大統領、クリミアの武力で奪還する可能性を排除

ウクライナのゼレンシキー大統領は、一時的被占領下クリミアを武力で奪還する可能性は排除すると発言した。

ゼレンシキー大統領がウクライナの複数報道機関へのインタビュー時に発言した。大統領府広報室が発表した

ゼレンシキー氏は、クリミアを武力で奪還する可能性を排除しつつ、またロシアとの和平協議におけるウクライナの立場は、今後10〜15年間にわたりクリミア脱占領問題を提起しないことは意味しないと説明した。同氏は、むしろ、ウクライナ側の提案は、提案している期間(15年間)で両国がクリミア問題を外交的に解決しなければならないということを想定しているのだと指摘した。

加えてゼレンシキー氏は、「(編集注:クリミア協議に向けた)フォーマットが提案されているのだ。今はそれは解決できないが、しかし、その期間中に解決する、明日でも良い、ということだ。私は、その決定は悪くないものだと思っている。今はそう思っている。今日の時点で、クリミアに関するそのような合意ができれば、私は、それはウクライナの勝利だと思っている」と発言した。

これに先立ち、3月29日、トルコのイスタンブルにて、ウクライナとロシアの和平協議が開催された。ウクライナは、同国の安全を保証する国際合意へ国連安保理常任理事国などの国々が署名し、合意が各国国会で批准されることや、15年間のクリミア問題の協議実施を提案している。

ポドリャク大統領府長官顧問は、クリミア問題につき、「例えば、クリミアのような問題についてだが、それは合意の個別の項目となり、その項目では、私たちは、ウクライナとロシアの立場を確認し、15年間にわたり、クリミアとセヴァストーポリの地位に関する二国間協議を実施することを提案している」と発言していた。ポドリャク氏は、ロシア側には、ウクライナとロシアは、その15年間は、クリミア問題解決のために軍事力・武力を使うことはないと定めることが提案されているとも発言している。

写真:大統領府