日本防衛省、資料にウクライナの日本語首都名「キーウ」を使用

日本の防衛省は、25日に発表した資料にて、ウクライナの首都名にウクライナ語由来の表記である「キーウ」を使用した。

佐藤正久参議院議員(自民党)がツイッター・アカウントで報告した

佐藤議員は、「防衛省もキエフからキーウに表示変更」と書き込み、「今朝の外交部会等合同会議で説明があった防衛省資料は、キエフではなくキーウ(キエフ)と表記。防衛省はキーウを使い始めた」と報告した。

また、同日、防衛省・自衛隊は、公式ウェブサイト上にて「キーウ」との表記を用いつつ、同資料を公開している

これに先立ち、24日、日本ニュースネットワーク(NNN)は、ウクライナの首都名を「キエフ」から「キーウ」に改めると発表していた

2018年10月、ウクライナ外務省が、「KyivNotKiev」(キーウはキエフではない)と題するキャンペーンを開始し、キーウをはじめとする、ウクライナの主要都市名を、ソ連時代のロシア語からの表記ではなく現在公式に採用されているウクライナ語からの表記を使うよう、諸外国メディア等に勧告していた。

2019年6月には、アメリカ合衆国の地名慣例の決定・管理を行う機関「アメリカ地名委員会」が、ウクライナの首都キーウの表記をそれまでのKievからKyivと変更する決定を採択した

英語報道機関では、これまでにAssociated Press、ワシントンポスト紙、ウォール・ストリート・ジャーナル紙、ニューヨークタイムズ紙などががKyivを使う決定を下している他、欧州の多くの空港にて、Kyivとの表記が使われている。日本語報道機関では、ウクルインフォルム通信とBBCが「キーウ」を使用している。

なお、2019年9月4日に日本で開催された「ウクライナの地名のカタカナ表記に関する有識者会議」では、首都名について従来の「キエフ」と並び、「キーウ」などの併用を可能とする見解が示されている