ゼレンシキー大統領はNATO加盟目標を忘れるべきとは述べていない=クレーバ宇外相

ウクライナのクレーバ外相は、ゼレンシキー大統領は現在ウクライナの安全保障について話すべきだと述べているのであり、目標としての北大西洋条約機構(NATO)加盟を忘れるべきとは話していないと説明した。

クレーバ外相がウクライナのテレビ番組出演時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

クレーバ氏は、ロシアがウクライナのNATO加盟を断念するよう要求していることにコメントし、ゼレンシキー大統領は今安全保障について話しているのだとし、「今は戦争を止めなければならない。現在、ウクライナの安全を保証しなければならない。そのため、大統領も、現在ウクライナの安全保障について話さなければならないと述べているのであるが、しかし、彼は目標としてのNATOについて忘れるべきだとは、いずれの場所でも述べていない」と強調した。

同時にクレーバ氏は、ウクライナのNATO加盟問題は現在袋小路に入っているとし、2008年に約束が与えられたが、2022年時点でNATO側からは一歩も前進がないと指摘した。

加えて同氏は、ウクライナにとって、真の堅固な安全保障が作られるべきであると発言した。同氏は、「いうまでもなく、私たちには第二の『ブダペスト覚書』は要らない。なぜなら、そこに書かれていることは全て、ウクライナに脅威があるときには、ブダペスト覚書参加者が協議を行うということだけだからだ。それは何にもならない。それは本当の保証ではなかった」と発言した。

その上で同氏は、ウクライナにとっての真の堅固な保証が必要だとし、それを保証するのは、国連安全保障理事会常任理事国(編集注:米国、英国、フランス、中国、ロシア)とその他複数の国であるべきだとの見方を示した。

同時に同氏は、ゼレンシキー大統領とウクライナ外交の重要課題は、包括的展望での国家の安全保障だと発言した。同氏は、「その安全の最初の一歩は戦争の終結であり、二歩目が私たちの領土、それから安全な環境でのウクライナの復興となる」と指摘した。

同氏はまた、ロシアとの現在の協議について、ウクライナ側は戦闘行為の停止と軍の撤退について話していくと述べた。同氏は、「テーブルにあるのは、戦闘行為の停止、ロシア軍のウクライナ領からの撤退だ。話さなければならない。なぜなら、戦争が継続しているからだ。戦闘は止めなければならない。ウクライナの生活、ウクライナの町々を守らなければならない。しかし、話すということは、諦めるということは意味しない。そのため、誰も断念することは予定していない。ラヴロフ氏が何を言うか聞き、尊厳ある返答をしよう」と発言した。

これに先立ち、ニコレンコ・ウクライナ外務報道官は、3月10日にトルコ、ウクライナ、ロシアの3外相がトルコで会談する可能性があると発表していた