ベーアボック独外相、ロシアに向け「人の命で遊ぶな」

アンナレーナ・ベーアボック独外相は21日、ロシアがウクライナの被占領地の住民の命で無責任な遊びをしているとして、ロシア首脳陣を非難し、同国に協議に戻るよう要請した。

ベーアボック独外相がブリュッセルでの欧州連合(EU)理事会会合前に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ベーアボック氏は、民間人、(編集注:コンタクト・ライン)の両側の被占領地の人々を使ったロシア政府のその遊びは、無責任だ」と強調した。

同氏はまた、最近の恒常的な停戦違反に懸念を覚えているとも発言した。また、同盟国は状況を非常に注意深く観察しており、全ての挑発と拡散されている偽情報を見ていると指摘した。

同氏は、「危機終了は、ロシアの手にかかっている」と強調した上で、ロシアに対して「人の命で遊ぶな。協議のテーブルに戻るのだ」と呼びかけた。

同時に同氏は、ロシアとの協議には「レッドライン」があることを明確に理解させたとし、「私たちの共存の基本は国際法、私たちの欧州の協定であり、それは協議対象とはならない」と発言した。

なお、ベーアボック氏は、19日のミュンヘン安全保障会議でも、本件について発言している。その際ベーアボック氏は、現在欧州の中心部で武力紛争の真の脅威の前に立っているとし、世界は、誰がそれに責任を負っているか知っている、ツイッター上の「ボット」も、偽旗作戦も、偽情報キャンペーンもそのことには影響を及ぼさないと強調した。

同氏は、「私たちは、(ロシア首脳陣により)攻撃の決定が下されたかどうかは知らない。しかし、ウクライナにとっての脅威は本当に非常に大きいと思っている。それはもう現実の被害を出している」と発言した。

同氏はさらに、ロシアが他者に圧力をかけることで自らの安全保障を強められると思っているなら、それは誤りだとし、もしロシアが再びウクライナの主権を侵害することを決めたなら、同国は速やかに大規模な制裁の対象となると警告した。

同氏は、同時に主要な課題は、協議を通じて、そのような展開を防ぐことだと述べた。