「ウクライナ、ジョージア、モルドバも、ロシア同様に安全保障の権利を持っている」=米国務省

シャーマン米国務副長官は8日、ロシアは主権・安全保障の権利を有しているが、同様の権利はウクライナ、ジョージア、モルドバも持っているとし、しかしながら、ロシアはその3国の領土に侵略し、領土を占領し、相手国政府の意向に反して、それらの国の領土内に軍事プレゼンスを維持していると指摘した。

シャーマン米国務副長官がウィーンでの欧州安全保障協力機構(OSCE)「刷新欧州安全保障対話」立ち上げ会合の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

シャーマン氏は、「ロシア連邦が、私たち同様に、同国には主権と安全保障の権利があると確信しているとして、同様の権利は、等しい水準で、モルドバにも、ジョージアにも、ウクライナにも存在している」と指摘した。

同氏はまた、「ロシアがOSCEにおける義務と反する行動を取ったのは初めてのことではない」とし、「2014年には、ロシアはウクライナに侵攻し、以降、クリミアを占領し続けている。2008年には、ロシアはジョージアに侵攻し、ジョージア領の20%を違法に占領し続けている。ロシアは、モルドバにて、同国政府の意向とOSCEでの自らの義務に反して、軍事プレゼンスを維持している」と説明した。

同氏は、ロシアのそのような行動は、ウクライナ、ジョージア、モルドバの安全保障にダメージを与え、国際法を侵害するものだと指摘した。

加えて同氏は、ウクライナ周辺のロシア軍の集結に関して、「過去数十年で欧州における最大の軍動員」だと指摘し、またロシアがプロパガンダと偽情報を拡散し、それを通じて、ロシアではなく、ウクライナ、米国、NATO、OSCEが侵略者であるかのように見せようとしていることを説明した。

同氏は、「ロシアは、ウクライナとの国境にそのような兵力の軍をこのように短期間で集結させていることにつき、一切の防衛的正当化はし得ない。一切だ。ウクライナは、ロシアに脅威をもたらしていない。NATOも、米国もだ」と強調した。