コルスンスキー・ウクライナ大使、ロシア・ウクライナ間緊張緩和への日本の役割に期待表明

ロシアによるウクライナ周辺の軍集結により緊張の高まる情勢を受けて、セルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ大使は26日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見を行い、緊張緩和に向けた日本のG7の一員としての役割に期待を表明した。

日本外国特派員協会がコルスンスキー大使の記者会見動画を公開した

大使は、ウクライナがロシアに対して求めているのは緊張緩和であり、「平和的な解決を求めている」と発言した。また大使は、「私たちは日本とも非常に緊密に仕事をしている。私たちは、G7の問題解決の努力、軍事対立を回避する努力、ウクライナの民主的発展を支持する努力に日本が加わることを望んでいる」と伝えた。

また記者から、現状への日本政府の対応についてどのように考えているかと質問されると、コルスンスキー大使は、日米首脳が最近のビデオ会談の際にウクライナについて多く協議したことがわかっており、また公開された会談結果からも、日本が情勢に強く懸念していること、また日本は(編集注:ロシアからウクライナに対する)更なる侵略があった場合に向けて、独自の措置を検討する準備があることが明らかになっていると発言した。

さらに大使は、2014年以降、日本が、ロシア・ウクライナ紛争に関連してアジアで唯一ロシアに対して制裁を発動した国であることを喚起して、「当時、その制裁を発表した外務大臣が現在の総理大臣」なのであるから、その岸田首相は、現在何が起きているか理解しているはずだと発言した。

その他コルスンスキー大使は、「私たち(ウクライナ)はロシアに脅威を与えていない。私たちは決してロシアを攻撃しない。何千回も、あらゆるレベルで私たちはそのことを伝えてきた。ウクライナはロシアを攻撃しない」と強調し、加えて、最近ロシアから「ウクライナ政府軍がドンバス地方に侵攻しようとしている」との「情報」が拡散されていることを念頭に、「私たちは、ドンバス問題を力で解決するつもりはない。私たちは、交渉に専念している。私たちは、前進するためのあらゆる可能な妥協を見つけようとしている」と発言した。

なお、1月26日、ウクライナと日本は外交関係樹立30周年を迎えている。

コルスンスキー駐日ウクライナ大使は同日、ウクライナ・日本の外交関係樹立から30周年を迎える、上杉謙太郎外務政務官を表敬し、会談を行った。上杉政務官はその際、「ウクライナ国境周辺における露軍増強の動きを懸念をもって注視しており、国際社会と連携してウクライナへの支援を継続していく」と発言している。