ゼレンシキー大統領、ウクライナ米露3者協議開催を提案=ウクライナ大統領府

ウクライナのイェルマーク大統領府長官は、ウクライナ側が地域の治安情勢解決の協議のためにウクライナ、米国、ロシアの3国首脳によるビデオ会談の開催を提案したことを明かした。

14日、イェルマーク氏が米シンクタンク「アトランティック・カウンシル」主催のオンライン対話の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

イェルマーク氏は、「ゼレンシキー大統領はバイデン大統領に対して、3者会談の組織を提案した。私たちは、それは効果があるかもしれないと思っている。ビデオ会議フォーマットかもしれない。バイデン大統領、ゼレンシキー大統領、プーチン大統領の会談だ」と発言した。

同氏はまた、ウクライナはロシア側からのその提案への反応を待っているとし、また米国からは同提案につき「興味深い」とのコメントを得たと伝えた。

さらに同氏は、米国がウクライナ周辺治安情勢解決の努力に積極的に参加する準備を示していることを肯定的に評価した。同氏は、米国がウクライナ情勢解決のためのいずれの現存の協議フォーマットにも加わる準備があるが、同時にロシアとの2者間コンタクトも続けていくと述べているとし、その立場を「非常に正しい」と表現した。

これに先立ち、ロシア連邦によるウクライナ国境沿いと占領地(クリミアとドンバス)への軍集結が続く中、12月17日、ロシア外務省が、ロシアと米国、及び、ロシアと北大西洋条約機構(NATO)の間の合意文書案を発表していた。同案には、ウクライナの将来にわたってのNATO非加盟を含む、NATOの東方不拡大の保証要求が含まれている。

この情勢を受けて、12月30日に米露首脳電話会談が開催され、その後1月2日に米宇首脳電話会談が行われた。

さらに1月9、10日には、ジュネーブにて米露代表者が戦略的安定対話を行った。また、10日には、NATOウクライナ委員会会合も開催された。

12日にはNATOロシア理事会会合が、13日には欧州安全保障協力機構(OSCE)常設理事会会合が開催され、西側諸国とロシアが協議を続けたが、両者の間の決定的な見解の隔たりは埋まっていない。