東方パートナーシップ、共同宣言採択 ウクライナ、ジョージア、モルドバが歓迎

15日、ブリュッセルで開催された東方パートナーシップ(EaP)首脳会談にて、共同宣言が採択された。EaPに参加するウクライナ、ジョージア、モルドバ(連合トリオ)は同首脳会談の結果を歓迎した。

欧州理事会のウェブサイトにて公開されたEaP首脳会談共同宣言につき、同日、ウクライナ大統領府にて3国の共同声明が掲載された。

3国声明には、「私たちは、今日ブリュッセルにて発表された東方パートナーシップ首脳会談宣言『再生、強靭性、改革』を歓迎し、長期的政治目標と2020年以降の新しい優先課題リストを賞賛した。また、私たちは、共通の根元的価値、相互利益、共同所有権と責任に基づく東方パートナーシップの戦略的で、野心的で長期的視点を持つ政策への堅固なコミットメントを確認する。私たちは、パートナー国にとっての具体的なフラッグシップイニシアティブを含むEaP首脳会談でのEaP経済・投資計画の採択を歓迎する」と書かれている。

また、連合トリオは、自国民の欧州的選択、欧州的願望(編集注:EU加盟願望のこと)、欧州アイデンティティを推進しており、欧州統合問題での協力を強め、また東方パートナーシップの更なる戦略的発展にコミットし続けていると伝えた。

さらに、3国は、EUとの更なる政治的連合と経済的統合を強化することに強くコミットしているとし、特にコペンハーゲン基準への合致に向けた法の支配の強化や改革推進を目的とする緊密な協力を続けていくと指摘した。3国は、EU条約49条にて、諸価値を尊重するどのような欧州国家もEU加盟を申請することができることを喚起し、価値の尊重とEUとの連合協定の履行がEUとの関係をさらに進めることに役立つと指摘した。

また3国で形成する「連合トリオ」とEUの協力を強化しなければならないと主張した。その他、エネルギー分野に関しては、欧州のエネルギー安全保障の強化を目的にEUとの協力強化の意向が示された。

さらに、3国は、東方パートナーシップ地域の多くの場所で恒常的な不安定化と国際法原則の違反が起きており、それにより欧州の平和、安全、安定に深刻な脅威がもたされていると強調した。その上で、「私たちは、紛争解決と信頼強化プロセスにおけるEUの積極的努力を歓迎し、また必要に応じた制限措置を含む、あらゆる可能な手段を利用しながら、東方パートナーシップ地域の平和と安定の促進のためにEUの役割を強化するよう要請した。私たちは、EU首脳に対して、2021年12月16日の欧州理事会会合にて本件を審議するよう要請した」と伝えた。

加えて3国は、ロシアによるジョージアやウクライナの領土併合の試み・占領、モルドバの未解決紛争が地域と欧州全体への深刻な脅威を生み出していると指摘した。その上で、3国は、紛争の扇動や支援、偽情報やサイバー攻撃の利用、地域の軍事化強化、人権侵害、被占領地での選挙実施といった、東方パートナーシップの複数の参加国の主権と領土一体性への明らかな侵害を強く非難した。

声明には、「私たちは、EU加盟に向けて行動する、国民の強い意志にて固められた私たちの決断力を確認した。その点で、私たちはEUに対して、私たちが欧州統合路線において行ってきた関連のステップ全てとともに私たちの国主権的選択を支持し、ジョージア、モルドバ、ウクライナの欧州的展望を認めるよう呼びかける」と書かれている。