ハンガリー、ロシアとウクライナ迂回のガス供給に合意 クレーバ宇外相がコメント

9月27日、ハンガリー政府は、ウクライナを迂回してロシアから天然ガスを供給する長期契約に署名した。本件につき、クレーバ・ウクライナ外相は、ハンガリーの権利は否定しないが、ウクライナは自らの国益を守っていくと発言した。

28日、クレーバ外相が記者団に対して発言した。ウクライナの記者が伝えた。

外相は、「私は、この状況で私たちが感情に振り回されることには反対している。私たち、あるいは私たちのハンガリー側パートナーが、である。私たちは、ハンガリーが露ガスプロム社と合意を締結する権利があることを否定しない。しかし、私たちは、経済的にハンガリーは、ウクライナを通じた輸送を含む、より有利な契約を結べた可能性をはっきりと見ている」と発言した。

外相はまた、ウクライナは、ウクライナを輸送スキームから排除することがロシア連邦の条件だったのだろうと理解しているとし、「それは私たちの国益にそぐわないものであり、私たちは国益を防衛していく」と指摘した。

その上で外相は、「私は、ハンガリー側パートナーたちに対して、感情をかき回さないよう要請する。彼らは、ウクライナについて、非常に頻繁にさまざまな私たちの気に入らないことを話している。しかし、私たちは、それに対して感情的には対応しない」と強調した。

外相は、実利的に行動し、ウクライナとハンガリーの双方の国益に適う、危機からの出口を模索するよう呼びかけた。

また外相は、欧州委員会との間でこのハンガリー・ロシア間の合意がEUエネルギー安全保障にどのように影響するのかについて、協議を行うと指摘した。

これに先立ち、27日、ハンガリーは、露国営ガスプロム社との間で、ガスパイプライン「トルコ・ストリーム」とセルビア領を通じて年間35億立法メートル、オーストリア領を通じて年間10億立法メートルの天然ガスを供給を受ける長期契約を締結していた。同契約は、10月1日に発効する。

これに対して、27日、ウクライナ外務省は、「ハンガリーの決定に驚き、失望している」とする声明を発表した。外務省は、本件は政治的な決定であり、経済的な根拠はなく、ロシアに利し、ウクライナの国益とウクライナ・ハンガリー関係にダメージを与えるものであり、1991年12月6日にウクライナ・ハンガリー間で締結された善隣協力の基本協定の原則に反するものだと主張していた。