OSCE監視団、露国家院選挙投票のためのウクライナ東部からロシア領への「有権者」移送を記録

欧州安全保障協力機構(OSCE)ウクライナ特別監視団(SMM)は、9月18、19日、ロシア国家院選挙への投票を目的に、ウクライナ領ドネツィク・ルハンシク両州一部地域(CADLO、被占領地)の住民をロシア連邦領へと移送するバスの存在を確認した。

SMMの9月20日付日報(第220/2021)に書かれている

日報には、「9月18日、SMMチームは、ウスペンカ(編集注:ドネツィク州)近くの国境検問地点から北西約200メートル離れた地点滞在中15分間で、21台の乗用車(内11台は『DPR』のプレート)、13台の幌付き貨物トラック(内11台は『DPR』のプレート)、10台のバス(全て『DPR』プレート。様々な性別・年齢の乗客を乗せていた。ほとんどのバスのフロントガラスには、『9月17、18、19日は選挙 一緒に選ぼう!』というサインが見られた)、個人36名(様々な年齢の女性18名、男性16名、子供2人)がウクライナへ入国した(編集注:ロシア領から、の意)」と書かれている。

またSMMは、上記と同じ時間に、10台の乗用車(内5台が『DPR』プレート)、13台のバス(全て『DPR』プレート。ほとんどのバスのフロントガラスには、『9月17、18、19日は選挙 一緒に選ぼう!』というサインが見られた)、個人71名(様々な年齢の女性34名、男性36名、子供1名)がウクライナを出国した、と報告した。

しかしながら、SMM要員がその場所で、武装集団要員1名がSMMを制止し、国境検問地点側へと移動することを拒否したという。

また、SMM要員は、マルニウカ(ドネツィク州)近くの国境検問地点から200メートル離れた地点滞在中60分間で、ウクライナ入国の乗用車12台、バス7台、ウクライナ出国の乗用車11台、幌付きトラック5台、バス2台を確認したと伝えた。同地点でも武装集団戦闘員がSMM要員に対して国境検問地点方面への移動を拒否したとのこと。

またイズヴァリネ(ルハンシク州)近くの国境検問地点では、武装集団戦闘員がSMMに対して監視を認めず、到着直後に同地区を立ち去るよう命令したという。

SMMは、19日分の監視報告でも、同様に複数地点でロシア国家院選挙投票目的と見られる人の移送を伝えている。

SMM要員は、ウスペンカ近くの地点では、60分間で乗用車11台、バス7台、個人52名のウクライナへの入国を確認、乗用車20台、バス1台、個人29名の出国を確認している。

また、マリニウカ近くの地点では、60分間で乗用車14台、バス32台のウクライナへの入国を、乗用車18台、バス32台のウクライナからの出国を確認している。