ウクライナ国会、ロシア国家院選挙の合法性を認めないよう国際社会に呼びかけ

ウクライナ最高会議(国会)は8日、ロシア連邦が9月19日に予定する国家院(下院)選挙に向け、一時的被占領下ウクライナ領でも違法に選挙準備をしていること、またドネツィク・ルハンシク両州一部被占領地域のウクライナ国民も投票に参加できるようにしていることから、同選挙の合法性を認めないよう国際社会に呼びかける決議を採択した。

最高会議議員318名が関連決議第5497を採択した(過半数は226)。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

決議本文にて、議員たちは、国際社会に対して、ロシア連邦政権と同国占領政権による一時的被占領下ウクライナ領クリミア自治共和国及びセヴァストーポリ市での国家院選挙実施に反対を表明し、またドンバス一時的被占領地のウクライナ国民の選挙参加を不可能とするべく、あらゆる必要な手段を行使するよう要請している。

さらに最高会議は、国際社会に対して、2021年9月19日のロシア連邦国家院選挙につき、一時的被占領下ウクライナ領で投票が行われた場合、選挙とその後の関連決定の合法性を認めないよう要請した。

議員たちはまた、一時的被占領地在住ウクライナ国民を国家院選挙へ参加させ、それによりウクライナの主権を侵害しているロシア政権とロシア占領政権の代表者に対する制裁発動を要請している。

なお、2014年のロシア連邦によるクリミア占領後、国際社会は被占領地で行われる選挙の組織・実施を非難するとともに、その結果の合法性を認めていない。日本政府も、2016年2018年の選挙の際に、「日本は2014年3月のロシアによる違法なクリミア『併合』を認めていない」ため、選挙の正当性もその結果も認めないという声明を出している。

倉井高志駐ウクライナ日本国大使は、2020年のウクルインフォルムへのインタビュー時に、いかなる「選挙」であれ、あたかもロシアの「国家権力」がクリミアに及んでいるかのような前提に立った行為を日本が認めることはないと発言している。