ゼレンシキー大統領、ホロコースト記念博物館にて親族の話を披露

ヴォロディーミル・ゼレンシキー大統領は、訪米中、ワシントンのホロコースト記念博物館を訪問した。

ウクライナ大統領府がその際のゼレンシキー大統領の演説内容を公開した

大統領は、「歴史上、本日9月1日は、特別である。82年前の1939年9月1日、第二次世界大戦が始まったのだ。その戦争はその被害の点から特別である。特別な人間の残酷さ、より正しくは、特別に非人道的な嫌悪、特別な心の不在を引き起こした。それらは、特別なウイルスによって発生したものだ。そのウイルスは、非常に短い名前を持っている。『ナチズム』である」と発言した。

そして大統領は、ナチズムは、死、飢餓、捕虜、焼き尽くされた町々、東方労働者、強制収容所、ホロコーストの悲劇という多くの苦難をもたらしたと強調した。

大統領は、欧州において、少なくとも600万人のユダヤ人がホロコーストの犠牲となっており、その内の150万人、つまり4人に1人がウクライナ出身のユダヤ人であったと伝えた。

そして大統領は、「ナチズムは敗北した、直接かつ永遠に」と強調した。

その他大統領は、自らの親族の話を披露した(編集注:ゼレンシキー大統領はウクライナのユダヤ系の家庭に生まれている)。ホロコーストの際、4人兄弟のうち、生き残ったのは当時前線にいたゼレンシキー大統領の祖父だけであったと指摘した。大統領は、「彼(編集注:自身の祖父)は、第二次世界大戦を経験し、ナチズムに対する勝利に貢献し、4年後に家に戻った。その2年後、彼には息子が生まれた。その31年後、彼には孫ができた。その40年後、彼の孫はウクライナ大統領となり、今、その人物があなたたちの前に立っているのだ」と発言した。

なお、ウクルインフォルムの特派員によれば、ゼレンシキー大統領は、ホロコースト記念博物館の活動を視察した他、ユダヤ団体の代表たちと面会した。

現在ゼレンシキー大統領は現在米国を訪問している。9月1日には、バイデン米大統領との会談が行われる。大統領の訪米は、9月5日まで続く予定となっている。