「ウクライナ・ロシア間では戦争が起きている」 71%のウクライナ国民が回答

世論調査

最新の世論調査によれば、ウクライナ東部の紛争につき、53%が「ロシアによる対ウクライナ侵略」とみなしており、70%以上が現在ウクライナ・ロシア間で戦争が起きていると考えていることがわかった。

9日、民主イニシアティブ基金のマリヤ・ゾルキナ専門家が2021年5月14日から5月19日にかけて実施した世論調査結果をウクルインフォルムにて発表した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ゾルキナ氏は、「半数以上のウクライナ国民は、ウクライナ東部に起きていることはロシアによるウクライナへの侵略であり、その際ロシア連邦は地元住民を利用している、と考えている。国民の53%がそのように確信している。また、親露的ないわゆる『内戦』言説については、ロシアが内戦の一方を支持している(15%)、あるいはロシアは(内戦に)全く参加していない(13%)との見方は、ウクライナ社会では支持を得られていない」と指摘した。

同氏は、東部の紛争をドネツィク・ルハンシク両州の自称政権とウクライナ政権のみの間の「内戦」だとする見方は、ウクライナ社会では適切な見方とはみなされていないと指摘した。

また同氏は、「その際、重要な点は、それがロシアの侵略であるという見方が、ウクライナ社会で強まっていることである。過去1年半で、その見方の支持者は、約8〜9%増加した。また、その見方は、市民の意見の間で強固になっており、伝統的にドンバスの出来事に対して厳しい見方をする西部や中部の地域だけでその見方が広まっているのではなく、『ロシアの侵略』との見方は、政府管理地域のドンバスを含む東部や、ウクライナ南部でも強まっている」と説明した。

その他同氏は、ウクライナとロシアの間では戦争が起きているか、との設問に対しては、「今日、71%のウクライナ国民が、両国間の間で起きているのは戦争だと考えている。その点では、全国の地域で意見が一致している。東部と西部、数字は若干異なる。たとえば、東部では、それが戦争であると一義的に確信しているのは約半数、これに対して西部では圧倒的多数の91%がそのようにみなしている。しかし、いずれにせよ、その見方は全国全ての地域で半数を超えており、また過去1年半でそのような市民の見方は強まっている」と指摘した。

さらに同氏は、大統領系与党「人民奉仕者」、野党「欧州連帯党」「祖国党」の見方は概ね一致するとし、「これらの政党の有権者の大半は、私たちのところでは戦争が起きていると考えている。ある一政党の支持者のみが、特別な見解を持っている。それは、野党生活党の支持者である。47%の同党支持者は、ウクライナとロシアの間で戦争が起きているというう事実を否定している。同党支持者の大半は、『ロシアが一方を支持する内戦』との見方を志向しており、ロシアを紛争の完全な参加者とは見ていない」と発言した。

今回の世論調査は、民主イニシアティブ基金がラズムコウ・センターと共同で。2021年5月14日から19日にかけて、クリミアとドネツィク・ルハンシク両州一部被占領地を除くウクライナ全地域にて、18歳以上の人物2020名に対して実施したものであり、理論的誤差は最大で2.3%だと発表された。また、調査の実施にの資金面の支援は、在ウクライナ・オランダ大使館のMATRARAプロジェクトの一環で行われたとのこと。

同調査の結果は、民主イニシアティブ基金のウェブサイトにも公開されている