ロシア国防省の「アフリカ軍団」、マリで住民を拉致・殺害・強姦=AP通信
ロシア国防省の「アフリカ軍団」は、アフリカ西部マリにて、傭兵集団「ヴァグネル」に代わり、一般人の拉致、殺害、強姦を行っている。ウクライナは、本調査を受け、断固とした国際法的措置を要求している。
AP通信が報じた。
APは、逃亡した数十人の住民の発言を元に、「新しいロシアの軍事部隊が、傭兵集団『ヴァグネル』に代わり、過激派掃討作戦の名の下にマリ軍と共に、強姦や斬首を含む、犯罪を行っている」と報じた。
難民たちによれば、ロシアの「アフリカ軍団」は、「ヴァグネル」と同じ戦術を使っているという。2名の難民は、「白人」によって焼き払われた村の動画を見せたという。
難民の1人は、「それは焦土戦術だ。兵士たちは、誰とも話さない。彼らは、目に入る者を誰でも銃撃する。一切の質問も一切の警告もない。人々は、なぜ殺されているのかさえも知らないのだ」と発言した。
別の2人の証言者は、肝臓や腎臓が失われた姿での親族の遺体を見つけたと伝えた。
ボカルという名の難民は、記者たちに対して、「名前が変わっただけだ。衣服も、移動手段も、人も変わっていない。手段は以前のままで、さらに悪化した。そのため、私たちは自分の家を再び去ったのだ」と発言した。
記事には、難民たちはロシアの「アフリカ軍団」が行う恐怖支配につき証言しており、法的分析ではロシアが直接的な責任を負うと書かれている。
ロシア国防省は、AP通信の問い合わせに答えていないとのこと。
また、9日、ウクライナのシビハ外相は、APによるマリでの調査報道につき、Xアカウントでコメントした。
シビハ氏は、ロシアは世界各地で同様の暴力モデルを広めていると指摘した。同氏はその際、「ロシアがウクライナで行っている凄惨な蛮行は全て、マリでも、他のアフリカ諸国でも行っているものである。名前は、『ヴァグネル』や『アフリカ軍団』や、あるいは単に『ロシア軍』と違うかもしれないが、しかし、本質に違いはない。ロシアは、暴力、混沌、不安定化、略奪、残虐行為を広めている」と発言した。
また同氏は、ウクライナは公開された事実を受けて、最大限断固とした国際法的措置を要求すると伝えた。同氏はその際、その部隊は公式にロシア国防省の構造に組み込まれていると指摘した。
同氏は、「私たちは、逮捕状の発行や制裁を含む、国際法的措置を要求する。また、事実確立と独立した捜査のための国際ミッションの実施も強く求める。国連主導のものかもしれない。現在判明しているより遥かに多くの大規模残虐行為の全容を明らかにするためだ」と書き込んだ。
さらに同氏は、アフリカ諸国の政府に対し、ロシアとの協力につき別途警告した。同氏は、現代ロシアは「解放ではなく、混沌、無法、略奪をもたらす」国であると指摘した。同氏はまた、国際社会に対して、ロシア軍の存在により安全保障上のリスクが高まっているアフリカ諸国への支援を強化するよう呼びかけた。