露は平和を呼びかけているが、露の武器はアルメニアに供与され続けている=アゼルバイジャン大使

エルミラ・アフンドヴァ駐ウクライナ・アゼルバイジャン大使は、ロシアはナゴルノカラバフ情勢につき平和を呼びかけているが、同国の武器は中央アジアやイランを通じてアルメニアに供給され続けていると発言した。

5日、アフンドヴァ大使が記者会見時に、記者からの、ナゴルノカラバフ紛争解決にてロシアが平和維持の役割を担うことをアゼルバイジャンは受け入れるか、との質問に答える形で発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

アフンドヴァ・アゼルバイジャン大使は、「ロシアは、欧州安保協力機構(OSCE)ミンスクグループの共同議長国の一国であり、同国はこれまでずっと仲介者の役割を担おうとしてきたし、ロシアのおかげで2016年の戦闘行為は止められた。しかしながら、私たちの大統領が述べたように、仲介者の役割は不十分であり、私たちは彼らの活動に不満を抱いている。(中略)ロシアによるナゴルノカラバフ情勢への影響力行使の可能性については、私たちは、ロシアが非常に抑制的な立場を取っているのを見ている。ロシアは、平和への呼びかけをするに留まっている。他方で実際には、ロシアの兵器が中央アジアやイランを通じて、以前同様、アルメニア領へと完全な形で供給され続けているのを私たちは目にしている」と発言した。

また大使は、ロシアの軍事演習「カフカース2020」の終了とナゴルノカラバフ紛争の激化の間の直接的な関係は見ていないと発言した。

これに先立ち、9月27日朝、アルメニアとアゼルバイジャンがナゴルノカラバフ地域で戦闘を再開。両国は互いに非難し合っている。両国とも戒厳令を宣言し、動員を行なっている。

アゼルバイジャンとアルメニアの間のナゴルノカラバフ紛争は、1988年に始まっている。戦争開始から6年後の1994年、両国はビシュケク議定書に署名して、停戦に合意している。

アゼルバイジャン領ナゴルノカラバフは同国からの「独立」を宣言しているが、アゼルバイジャンはその「独立」を認めておらず、同地をアルメニアによる被占領地であると宣言している。

ウクライナは、その他多くの国と同様に、ナゴルノカラバフ地域をアゼルバイジャン領とみなしている。

ゼレンシキー大統領は10月2日、「私たちはアゼルバイジャンとアルメニアに対話とその紛争の沈静化を呼びかけている」としつつ、「私は、どのような凍結された紛争も存在すべきでないと思っている。なぜなら、たとえ戦争開始から30年経っていたとしても、工作なり挑発なりが起こり、それが爆発を引き起こすからだ」と発言した。また大統領は、近年ウクライナとアゼルバイジャンは、経済面と地政学面で密接な関係を築いていると指摘し、そのためウクライナはアゼルバイジャンを支持する立場に立ってきたし、今後も同国側に立っていくと発言している。