ドンバス地方が陥落すれば、ロシアはウクライナ全土の制圧を続けるだろう=EU上級代表
欧州連合(EU)のカラス外務・安全保障政策担当上級代表は15日、ロシア軍はウクライナ東部ドンバス地方で止まる計画ではないとした上で、よってウクライナは、他の地域の安全を確保するためにも、信頼できる安全の保証を必要としていると発言した。
カラス上級代表がEU外務理事会の前に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
カラス氏は、「今週は本当に活発な外交の週だ。今日は、まず財政面から、ウクライナに関して多くの議論を行う。今週は決定的な週だ」と述べた。
また同氏は、ウクライナ東部ドンバス地方は「プーチン氏の最終的な目標ではない」と断言した。その際同氏は、「もしドンバスが陥落すれば、要塞は崩壊し、そうなれば彼らは間違いなくウクライナ全土の占領を継続するだろう。そして、もしウクライナが陥落すれば、他の地域も危険にさらされる。私たちは歴史からそれを知っているのであり、歴史から学ばねばならないのだ」と指摘した。
そして同氏は、欧州の首脳たちに対して、事実を明確に把握するよう求め、「私たちには1つの侵略国と1つの犠牲国があり、犠牲国には安全の保証が必要なのだ。それが必要なのはウクライナであり、ロシアではない」と強調した。
さらに同氏は、過去100年でロシアは少なくとも19か国を攻撃し、その内の一部の国に対しては3〜4回攻撃しており、それらの国々はロシアを攻撃したことは一度もないため、ロシアにはいかなる安全の保証も必要でないことを喚起した。同氏はそして、「安全の保証が必要なのは他の全ての国々だ」と述べた。
また同氏は、諸国がNATOの一部になりたいと望む理由の1つは、ロシアに侵攻されたくないからだと説明した。同氏はその際、「だからこそ、スウェーデンとフィンランドはNATOに加盟したのだ。だからこそ、バルト諸国はその防衛の傘を得るためにNATOに加盟したのだ。今、もし加盟が問題視されたり、除外されたりするならば、私たちはどのような安全の保証が強力なのかを考える必要がある。それは単に紙上のものや約束であってはならず、ウクライナが自衛できるような実際の軍隊、実際の能力でなければならない」と発言した。