高等反汚職裁判所の稼動開始 ゼレンシキー大統領、課題に言及

9月5日から、ウクライナでは高等反汚職裁判所が稼動する。ゼレンシキー大統領は、稼動開始の発表会にて、同裁判所の課題を挙げた。

ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ゼレンシキー大統領は、反汚職裁判所の課題は、政権幹部の汚職により盗まれたものを取り返すだけでなく、国民に正義の感覚を取り戻すことだと指摘した。

大統領は、同裁判所の裁判官に対して、「あなた方は、私より、社会の反汚職裁判所への期待を知っているであろう。あなた方には、大きな挑戦がある。それは、単に政権幹部が汚職により国家から盗んだものを取り返すだけではない。国民に、ウクライナには確かに正義がある、という感覚、信頼を取り戻さねばならないのだ」と発言した。

大統領は同時に、反汚職裁判所の活動に関して、管轄範囲問題をはじめとする、未解決の問題が残っているが、しかし問題解決に向けてサポートしていくことを明言した。

なお、反汚職裁判所は、2018年夏に最高裁判所が同裁判所の設立法案を採択したことで、設立が決まったもの。

2018年8月2日、高等裁判官選考委員会が高等反汚職裁判所の裁判官と同裁判所控訴院の裁判官の公募開始を発表。選考は、外国人の司法専門家からなる「国際専門家市民会議」の関与も得て、7か月間かけて行われた。

高等反汚職裁判所の裁判長には、オレーナ・タナセヴィチが選出されている。