国連代表者「ロシアは国際裁判所の決定2件を履行しなければならない」

ロシアは、国際海洋法裁判所(ITLOS)の決定を履行し、ケルチ海峡沖で拘束・だ捕したウクライナ海軍軍人24名と船舶を即時解放しなければならない。

13日、フィオナ・フレイザー国連ウクライナ人権監視団団長が2019年2月16日から5月15日までの期間の人権状況監視報告を行った際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

フレイザー国連監視団団長は、「ロシア連邦は、国連システムにある複数の裁判所が下した決定を履行しなければならない。1つ目の決定は、2017年に国際司法裁判所(ICJ)が下したものであり、ロシア連邦はメジュリス(編集注:クリミア・タタール民族代表機関)の活動禁止を解除しなければならないという内容である。2つ目の決定は、本年5月、国際海洋法裁判所(ITLOS)が下したものであり、昨年11月にケルチ海峡沖でだ捕・拘束したウクライナ海軍の艦船とその乗員24名を速やかに解放しなければならない、という内容である」と発言した。

フレイザー団長は、ロシア連邦に対して、クリミアにおける占領国として、人権の国際基準と国際人道法の義務を遵守するよう呼びかけた。

同団長は、「それが意味することは、クリミアにてロシア国内法を適用しないこと、全ての拘束者に人道的扱いを確保すること、あらゆる宗教の信者のグループの信仰の自由を確保することである」と強調した。

これに先立ち、5月25日、国際海洋法裁判所(ITLOS)は、ウクライナ対ロシアの案件における暫定方策として、ロシアに対して、同国がケルチ海峡沖で拘束・だ捕した24名の海軍軍人と艦船を速やかに解放し、ウクライナへ戻すことを命令していた。これに対して、ロシアは、同判決の効力を認めないとし、ロシアのウクライナ海軍軍人に関する立場は変わらないと発表している。