教育法を巡り、ハンガリーはウクライナとNATO加盟国との会合を妨害継続=副首相

ハンガリーは、ウクライナと北大西洋条約機構(NATO)加盟国との公式レベルでの複数の重要会合の開催を妨害している。

14日、イヴァンナ・クリムプシュ=ツィンツァゼ副首相がウジホロド市での記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

クリムプシュ=ツィンツァゼ副首相は、「現在、私たちは、ハンガリーがウクライナとNATOの欧州パートナー国とのハイレベルの対話を妨害しているのを確認しており、これにより、私たちは、公式会合を複数開催できずにいる。同時に、NATO内のパートナー国たちは、会合を開催するための他の手段を模索してくれており、ジョージアと共同の公式会合にしたり、あるいは非公式会合にしたりと対応してくれている。私たちは、これらの国に感謝している。このことは、NATOがウクライナとの政治対話をどれほど評価しているかを示している」と発言した。

また、同副首相は、ウクライナは欧州評議会ベニス委員会の勧告を履行する義務を負ったのであり、ハンガリーからの脅迫的声明の頻度が少なくなって欲しいと思っていると指摘した。

同副首相は、ハンガリーが改正を要求している「教育法」に関しては、「私たちは、『教育法』の履行時期を2023年まで延長することをはじめとし、(ベニス委員会の勧告の)条件を履行すべく、最高会議議員とともに作業をしている」と発言した。同時に、同副首相は、ウクライナがベニス委員会の条件を履行した後に、ハンガリーがウクライナへ圧力をかけるのを止めるかどうかにつき、明確な確信はないとも発言した。

本件は、ウクライナ最高会議が採択し、2018年9月25日にポロシェンコ大統領が署名した「教育法」を巡り、ハンガリー政府が同法第7条の教育言語に関する条項を問題視し始めたことに端を発する。この際、ハンガリー以外にも複数の隣国から、第7条の項目に対する懸念が示されたため、ポロシェンコ大統領は外務省と教育科学省に対して、欧州各国や欧州評議会と同法についての協議を行うことを指示していた。

9月28日、クリムキン外相は、同教育法の第7条は、ベニス委員会へ審議のために送られたと発表した。

10月12日、欧州評議会議員会議は、ウクライナのこの教育法に関する決議を採択し、ウクライナ政府に対して、ベニス委員会の注意を受け入れ、先住民族や民族マイノリティの利益を考慮したより柔軟な二言語教育モデルを考え出すように呼びかけていた。

ウクライナ教育科学省は、ベニス委員会による教育法第7条に関する結論文書について同意を表明し、同教育法第7条をより具体化することに努めるとともに、履行のための移行期間を延長すべきとの勧告を受け入れる準備があると発表していた。