外務省、被占領下クリミアでのベキロフ氏違法逮捕に抗議

ウクライナ外務省は、ロシアに占領されているクリミア・シンフェローポリ市「裁判所」が、ウクライナ国民エデム・ベキロフ氏を違法に逮捕する決定を下したことに強い抗議を表明した。

13日、外務省ウェブサイトにコメントが掲載された。

同コメントには、今回の逮捕はクリミア在住のクリミア・タタール人への圧力であると指摘されている。そして、外務省は、侵略国ロシア連邦に対して、ベキロフ氏に速やかに医療措置を与えるよう、そして、被占領地の活動家や人権保護に従事するものに対する迫害を止めるよう要求している。

また、ベキロフ氏が第1グループの障害を有し、健康上の問題を抱えており、毎日投薬が必要であるにも関わらず、過去二日間は薬も食事も与えられていないとし、強い懸念が表明された。そして、外務省は、「医療措置が与えられていないことは、人権侵害であり、また2か月間の逮捕は同氏の生命への脅威となる」と指摘した。

外務省は、ロシアに対して同国が違法に拘束する全てのウクライナ国民を解放すること、またクリミア・タタール民族代表機関「メジュリス」の活動を再開させることを呼びかけ、また国際社会に対しては、クリミアの完全な脱占領と違法被拘束者の解放を実現すべく、侵略国に政治・外交的な圧力と制裁を強化するよう呼びかけている。

これまでの報道では、12月12日、午前8時30分頃、大陸側行政境界線通過検問地点「チョンハル」から被占領下クリミアへの移動時、占領国側パスポート・コントロールを通過する際に、エデム・ベキロフ氏が拘束された。ベキロフ氏は、1961年生まれ、ヘルソン州ノヴォオレクシーウカ町在住で、クリミアへは78歳の母や親族に会いに行くところだった。

なお、同日の「裁判」時、糖尿病をわずらうベキロフ氏の体調が悪化したことから、同氏は救急車で、病院で診断を受けていた。医師は、血糖値と血圧の低下を指摘していた。