「ウクライナには理解困難だろう」=ボレルEU上級代表、プーチン「就任式」を欠席するよう勧告

欧州連合(EU)のボレル外務・安全保障政策担当上級代表は7日、ウラジーミル・プーチン氏は国際刑事裁判所(ICC)の逮捕状が出されており、ウクライナにおける戦争の責任を負う人物なのであり、同氏の「就任式」にEU加盟国の代表者が出席することは、どのような形であれ、EUの立場に反し得ると発言した。

ボレルEU外務・安全保障政策担当上級代表がブリュッセルでの外務理事会会合前に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ボレル氏は、「プーチンはICCの被告人である。私たちのところでは、出席すべきか否か、どのレベルか、大使か、代理人か…といったことで、加盟国との議論があった。しかし、私にとっては立場は明確だ。ウクライナや世界中の多くの人にとって、それは非常に理解し難いことだ。私たちは、プーチンをICCの被告人とみなしており、彼はウクライナにおける戦争の責任を負っていると考えている。私たちは。その自由でもなければ公正でもなかった選挙に異議を唱えているのだが、その色々なことの後で、就任式に出席すると? それは、明らかな矛盾であろう」と発言した。

同氏はまた、EU加盟国にとっての正しい立場は、そのプーチンの「就任式」にどのような形でも出席しないことだろうと主張し、その見方は全加盟国に伝えてあると述べた。

そして同氏は、「よって、私の加盟国への勧告は、出席しないこと、である。多くの国、大半の国が、その勧告を聞くことを期待している。しかし、加盟国は行くか否かを決めることのできる完全な主権国家である。大半が行かないことを期待している。それが正しい判断であろう」と発言した。

なお、5月7日、ロシアの首脳プーチン氏による「就任式」が予定されている。ウクライナ外務省は6日、ロシアの独裁者ウラジーミル・プーチン氏を同国の民主的に選ばれた正当な大統領と認めるための法的根拠は見出せないとした上で、国際社会に対してロシアの偽「選挙」の結果を認めることのないよう要請した。日本の林官房長官は7日、同就任式には日本政府からは誰も出席しない予定だと発表している。