ウクライナ議会、国際社会に1944年のソ連のクリミア・タタール人追放をジェノサイドに認定するよう要請

ウクライナ最高会議(国会)は8日、1944年のソ連政権によるクリミア・タタール民族全体のクリミア半島からの追放をジェノサイドと認定するよう国際社会に要請する決議を採択した。

ジェレズニャク最高会議野党会派「声党」議員がテレグラム・チャンネルにて報告した

同決議第11237は、最高会議議員317人の賛成で可決された(過半数は227)。

最高会議は、同決議により、国際社会に対して、1944年のクリミアにおけるクリミア・タタール人の追放をジェノサイド行為と認定し、また5月18日の同追放の犠牲者追悼に加わるよう要請した。

またロシアが一時的に占領するクリミアへのウクライナの国家主権回復を促すことも呼びかけている。

なお、ウクライナでは、5月18日には「クリミア・タタール民族虐殺犠牲者追悼の日」と「クリミア・タタール民族権利闘争の日」に定められている。この日は、1944年5月18日にソ連政権がクリミア・タタール民族全体をクリミア半島から中央アジアに追放した事件の犠牲者を追悼するために定められている。このソ連の追放作戦は、1944年5月18日午前3時に始められ、6月初旬まで続けられた。最大規模の追放は、5月18日から20日までに行われた。

ソ連公式のデータでは、追放されたクリミア・タタール人の数は18万3144名だが、クリミア・タタール人側はそれ以上の20万〜40万の人物が追放されたと主張しており、また追放後の最初の1年半で民族全体の約46%が死亡したと言われている。

2015年11月12日、ウクライナ最高会議は1944年のクリミア・タタール人追放をジェノサイドと認定し、5月18日を「クリミア・タタール民族虐殺犠牲者追悼の日」と定めていた。