ウクライナ外務省、ロシアの「正教徒を保護」の発言に反論

ウクライナの正教徒の利益を保護するというロシア大統領府関係者の発言は、同国がウクライナへの侵略を正当化するために利用した「ロシア語話者を保護する」という命題と似ている。

マルヤナ・ベーツァ・ウクライナ外務省報道官がツイッターで述べた。

ベーツァ報道官は、「私たちは、ロシア連邦から、『ロシア語話者の保護』という類似の命題を、同国による対ウクライナ侵略の正当化として聞いていた」と書き込んだ。

これに先立ち、ロシアのマスメディアは、コンスタンティノープル総主教庁聖会議によるウクライナ正教会への独立付与の決定に関し、ロシア大統領府が状況激化の際にウクライナの正教徒の利益を保護することを約束したと報じていた。

ロシアのペスコフ大統領報道官は、「情勢が展開し、違法行為が行われるようになった場合には、もちろん、ロシアは、あらゆるところでロシア人とロシア語話者の利益を保護しているのと同様、プーチンが何度も話してきたように、ロシアは正教徒の利益も保護する」と述べた。

ペスコフ報道官は、ロシアはどのように正教徒の利益を保護するのかとの問いに対しては、「政治・外交的のみ」手段でと答えた。

10月11日、コンスタンティノープル総主教庁聖会議は、イスタンブルで、ウクライナ正教会に独立に関するトモス(編集注:正教会の公布文書)を付与する決定を採択した。

コンスタンティノープル総主教庁聖会議による独立のトモス付与の決定が下された後には、キーウにおいて、トモス付与をコンスタンティノープル総主教に要請したウクライナ正教会のキーウ聖庁、モスクワ聖庁、自治独立派の聖職者による会議が招集されると説明していた。会議により、教会統一が行われ、唯一のウクライナ統一正教会が創設され、その総主教が選出されることになる。

その後、ウクライナ統一正教会の新たな総主教により、文書としてのトモスの授受が実施される。