米上院、1932~33年の人工的大規模飢餓をウクライナ民族に対するジェノサイドと認定

4日、アメリカ合衆国上院は、歴史上初めて、1932~33年のホロドモール(ソ連政権による人工的大規模飢餓)をウクライナ民族に対するジェノサイド(大規模虐殺)として認める文を含む決議を満場一致で採択した。

4日、在アメリカ・ウクライナ大使館が発表した。

発表には、「採択された文書には、アメリカ上院が『ウクライナの飢餓に関する政府委員会』の結論(1988年4月22日付)を認める文が含まれている。同結論は、『スターリンとその周辺人物は、1932~33年にウクライナ人に対してジェノサイドを行った』と指摘している」とある。

同決議はまた、ウクライナ民族に対してソ連政権が行った自決権や表現の自由といった体系的な人権侵害を非難しているとのことで、また、ホロドモールの被害者、生存者、それらの親族に対する強い哀悼と共感が示されているとともに、ホロドモールの人為的性格について世界での認知度を高めることを目的として情報の拡散を行うことが呼びかけられているとのこと。

発表には、「アメリカ上院と同決議の共同提案者でありウクライナ・フレンズ・グループの共同代表者であるロバート・ポートマン議員とリチャード・ダービン議員に対して、この歴史的決定に心から感謝する。決議は、在アメリカ・ウクライナ大使館とアメリカ在住ウクライナ人コミュニティ、アメリカ上院内のウクライナの友人達の連携の結果として採択された」と指摘した。

これに先立ち、9月26日には、アメリカ議会上院外務委員会がホロドモールをウクライナ民族に対するジェノサイドとして承認する同決議案を固め、上院に対して採択を勧告していた