ゼレンシキー宇大統領、欧州の新しい安全保障に関するトランプ米大統領とクシュナー氏の発言にコメント
ウクライナのゼレンシキー大統領は、ウクライナは自国東部のドンバス地方を、たとえ現在被占領下にある部分であっても、ロシアに譲渡することには同意しないと述べ、ロシア・ウクライナ戦争の終結に向けた道筋が定められる前に欧州における新しい安全保障構造を議論することは危険だとの見方を示した。
ゼレンシキー大統領が、CNNとのインタビュー時に、トランプ米大統領やクシュナー大統領特使が言及した、あり得る欧州・ロシア間の安全保障に関する協定について記者から質問された際に発言した。
ゼレンシキー氏は、5日に米大統領特使であるウィトコフ氏やクシュナー氏と電話会談を行い、11月10、11日にアブダビで開催される予定の3者交渉への準備について協議したと伝えた。
ゼレンシキー氏は、「私はある安全保障構造について聞いた。米国側は欧州・ロシアの安全保障構造のアイデアについて議論することを望んでいた。私にとってそれは簡単な話ではなく、危険なものになるかもしれない」と発言した。
そして同氏は、まずロシアの対ウクライナ戦争をいかに終結させるかを議論しなければならない、それからウクライナがどのような安全の保証を受け取るかについて議論し、そしてその後に初めて、欧州とロシアの間の安全保障構造の議論に移行しても良くなると主張した。
加えて同氏は、ウクライナは停戦を、とりわけエネルギー・インフラや海上における部分的な停戦を支持しているが、ロシアは未だにそのような停戦に向けた準備を示していないと指摘した。
そして同氏は、「彼ら(ロシア)がこの戦争をいかに終結させるかについて語りたがらない時が危険なのだ。ロシアのことだ。彼らは欧州における新しい安全保障構造から(議論を)始めることを望んでいる。それは危険だ。ちなみに、それは私たちよりも、EUにとってもっと危険だ」と指摘した。
加えて同氏は、複数の大国が、他国の利益を考慮することなく、戦後の欧州のあり方について合意した1945年のヤルタ会談が再現さらえることに対しても警戒を呼びかけた。
同氏はその際、「私たちは『ヤルタ2』を望まない。私たちはそのようなフォーマットへの準備ができていない。私たちはロシアに分割されることを望まない」と強調した。同氏はまた、主権と領土一体性の尊重はどんな国家の独立にとっても重要な条件だと指摘した。
そして同氏は、「だからこそ、私たちはドンバスを手放したり、私たちの領土、たとえ一時的被占領下にある領土であっても譲渡したりする準備はない。それは『一時的被占領下にある(ウクライナ)領土』なのであって、それはロシア領ではない。誰もそれ(編集注:被占領下ウクライナ領をロシア領とみなすことを)を承認しない」と強調した。
CNNもまた、プーチン氏の代表者とトランプ氏がホワイトハウスで会談した後、トランプ氏が、ウクライナだけでなく、欧州全体に関係する大規模な協定を準備する考えを発表したことを指摘した。クシュナー米大統領特使もまた、来週アブダビで欧州・ロシア間の持続的な安全保障システムの構築について協議する計画であると発表した。CNNは、数多くの欧州の首脳たちがこの発表に驚き、そのような計画のことは知らなかったと報じた。