ゼレンシキー宇大統領、対弾道ミサイル・システム「フレイヤ」の1年以内の運用開始に期待
ウクライナのゼレンシキー大統領は13日、ウクライナは欧州諸国と共に、新しい対弾道ミサイル・システム「フレイヤ」が1年以内に創設され、運用できるように取り組んでいると発言した。
ゼレンシキー大統領が同日新設された「対弾道ミサイル連合」の会合の際に発言した。ゼレンシキー氏がXアカウントで自身の発言を伝えた。
ゼレンシキー氏は、「欧州には弾道ミサイルからのさらなる防護が必要だ。私たちは一緒にそのようなシステムを作り出せる。ウクライナは自らの担当部分である対弾道ミサイルを提供する用意がある。現在、私たちはそのミサイルに関する作業を完了させつつある」と述べた。
また同氏は、「フレイヤ」が全欧州の利益のための共同プロジェクトであることを政治的に確定することが重要だと指摘した。
さらに同氏は、「欧州には、強力で、信頼があり、他システムよりも安価な、より多くの対弾道手段が必要だ。私たちは一緒に、そのようなシステムとそのための迎撃ミサイルを作り出せる。それは『フレイヤ』という名称になり、私は、この作業が始まったことに感謝している」と強調した。
同氏は加えて、今回の会合には多くの国と企業が参加し、共に取り組んでいく準備があることを表明したと伝えた。
そして同氏は、世界において対弾道能力が不足していると指摘し、米国は防空システム「パトリオット」の生産拡大に、欧州は「SАMP/T」、「アイリスティー」、「ナサムス」の生産拡大に取り組んでいるが、「防衛ニーズは既存の能力を上回っている」と主張した。
また同氏は、「ロシアは、私たちの人々をくじき、ウクライナから防衛能力を奪うために、都市や村への弾道ミサイル攻撃による最後の賭けに出ている。イラン政権も同様に戦っている。ロシアと北朝鮮の協力は、北朝鮮のミサイルの改善をもたらした。私たちの試算では、世界における弾道ミサイルの数はさらに増加する。そして、対弾道ミサイル手段は少なくとも十分な数でなければならない。私たちは、正にそのことに取り組んでいるのだ」と強調した。
同氏はその上で、欧州は高品質な対弾道ミサイル・システム生産における世界のリーダーになる可能性があると指摘した。そして同氏は、「私は、今後12か月の間に『フレイヤ』を目にすることを期待している。世界における弾道ミサイルの脅威は増大する一方だ。これはロシアとイランの戦争がもたらした主要な結末の1つだ。そのため、『フレイヤ』は現実とならなければならない」と述べた。
なお、同日、パリにて、ウクライナ、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ノルウェー、スペイン、スウェーデン、英国の欧州10か国が「対弾道ミサイル連合」の創設を発表した。
創設発表の共同声明には、今回創設される新しい「連合」は完全に防衛的な性質を持ち、欧州にとっての将来の弾道ミサイルの脅威を抑止及び無力化するための統合的対ミサイル防衛システムの開発を目指すものであることが強調されている。
参加国は、対ミサイル防衛分野における共同能力の創設、関連の研究・産業プロジェクトの支援に向けて、産業の能力、科学開発、実戦経験を統合することを計画しているという。
参加国はまた、ウクライナの「ロシアが遂行している侵略戦争からの防衛の際に得られた」独自の経験に言及している。
今回の協議には、欧州9か国とEUトップに加えて、防空及び対ミサイル防衛の分野で活動する欧州及びウクライナの主要な防衛企業であるMBDА、タレス、サフラン、レオナルド、サーブ、ディール・ディフェンス、コングスベルグ・ディフェンス&エアロスペース、ヘンゾルト、ユーロサム、そしてウクライナのデスティナスとファイア・ポイントも加わったとある。
「連合」参加国は、共同の実戦要件を策定し、技術面の作業グループとプロジェクト管理メカニズムを設置すること、新しいシステムの最初の実戦能力が登場するまでのロードマップを作成することで合意したという。
「連合」は、その原則と目標を共有する他の国々に対して引き続き開かれていると伝えている。
訂正(7月14日10:03):9か国→10か国