米国、「NATO式の」安全の保証をウクライナに提案=報道
アクシオスは、米国の新たな露宇戦争終結案が、北大西洋条約機構(NATO)の安全の保証に類似した、欧米諸国からの安全の保証をウクライナに提供することを想定していると報じた。
アクシオスが入手した和平案をもとに報じた。
同報道によると、米政権は、28項目の和平案のほかに、もう1つの文書案をウクライナ側に手渡したという。その文書案は、北大西洋条約第5条(1か国または複数のNATO加盟国に対する武力攻撃が発生した場合の集団的対応を規定)にならった安全の保証について言及しているという。
同メディアによって公開された同文書案の本文によると、米国は、ロシアによるウクライナへの重大で意図的かつ長期にわたる武力攻撃は環大西洋共同体の平和と安全を脅かす攻撃と見なされると認めている。そのような場合には、米大統領は、ウクライナ、NATOトップ、欧州のパートナー国との緊急協議を経て、安全を回復するために必要な措置を決定することになるとある。
文書案には、「これらの措置には、武力行使、諜報及び兵站支援、経済的・外交的措置、並びに適切と見なされるその他の行動が含まれ得る。NATOとウクライナが参加する共同メカニズムが、(編集注:平和条約の)違反のあらゆる主張を評価していく」と記されている。
その中で、NATO加盟国、とりわけフランス、英国、ドイツ、ポーランド、フィンランドは、ウクライナの安全が欧州の安定の不可欠な一部であることを確認した上で、米国と共同で、いかなる違反にも対応し、統一された信頼できる抑止を確保することにコミットすると記述されている。
この取り決めは10年間を想定しており、その後の延長の可能性もあるという。この文書案は、ウクライナ、米国、EU、NATO及びロシアの代表者が署名することが見込まれているという。
ホワイトハウスは、ウクライナでの戦争を終結させるための新しい計画は双方に利益があると見なしている。
以前、アクシオスは、ロシアのウクライナに対する侵略戦争を終結させるための新たな米国の計画の28項目の草案を公開したが、その中にはウクライナへの攻撃が発生した場合の集団的対応に関する項目は含まれていなかった。ウクライナが信頼できる安全の保証を得ることについてのみ言及されていた。加えて、キーウがNATO加盟を放棄し、北大西洋条約機構はウクライナを受け入れないことを約束すると強調されていた。
これに先立ち、アクシオスは、28項目からなる米国によるロシア・ウクライナ戦争終結案を公開していた。しかし、その中には、ウクライナが攻撃を受けた場合の集団的対応に関する項目は含まれておらず、ウクライナが安全保障分野で信頼できる保証を受け取るとのみ記述されていた。同時に、ウクライナはNATO加盟を断念し、NATOもウクライナを受け入れないことを義務付けると書かれていた。
また、20日、ゼレンシキー大統領は、米国側から和平案を正式に受け取っていた。