全ての軍事目標を「トマホーク」で攻撃できるわけではなく、現代の戦争には数千機の無人機が必要=ゼレンシキー宇大統領

更新

ウクライナのゼレンシキー大統領は17日、全ての軍事目標を米国製巡航ミサイル「トマホーク」で攻撃できるわけではなく、現代の戦争には数千機の無人航空機が必要であるとし、ウクライナは米国に無人機分野の技術を共有する準備があると発言した。

ゼレンシキー大統領がホワイトハウスでのトランプ米大統領との協議開始前に記者団に対して発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ゼレンシキー氏は、「『トマホーク』だけを使うのではいけない。軍事目標を攻撃したいなら、数千機の無人機が必要だ。無人機がそのようなミサイルと一緒に向かうのだ。ウクライナは自国製の数千機の無人機を保有しているが、私たちには『トマホーク』がない。だからこそ、私たちには『トマホーク』が必要だ。米国には、非常に強力な生産能力があり、それが私たちの数千機の無人機を得られるかもしれない。よって、そこが私たちの協力できるかもしれないところであり、私たちは米国の生産を強化できるかもしれないのだ」と発言した。

記者から、無人機とミサイルの交換に同意するかもしれないか、と質問されると、ゼレンシキー氏は、「ええ、もちろんだ」と答えた。

また、トランプ米大統領に対して、ウクルインフォルムの特派員が、米国はウクライナに「ウクライナとロシアの能力を同等にし、ロシアを交渉に向かわせるために」、「トマホーク」ないしは類似のミサイルを供与する可能性があるかと質問すると、トランプ氏は、「ええ、当然だ。私たちはそれについて話していく。そのためにこそ、私たちはここにいるのだ。それは良い質問だ。私たちはそれについて協議していく」と答えた。

同時にトランプ氏は、ウクライナへの「トマホーク」供給はウクライナとの協議の対象だが、しかし、米国は戦争の早期終結が優先課題だと考えていると発言した。

記者から、米国自身が紛争に巻き込まれ、米国に「トマホーク」が必要になったらどうするのかと質問されると、トランプ氏は、「その点に問題があるのだ。私たちに『トマホーク』は必要だ。そして、私たちには、過去4年間ウクライナに送った他の多くの物も必要なのだ…。私たちは彼らに非常に多くの物を与えた。今、私たちには異なる状況がある」と発言した。

同氏はまた、現在供給の一部は欧州連合(EU)が資金を出していることを喚起し、「私たちはそれをEUに送っている。彼らがそれの支払いをしている。しかし、問題は資金だけにあるのではない」と述べた。

さらに同氏は、米国が戦争を終わらせたい理由の1つは、「非常に強力な兵器の多大な量の」供給に困難があるからだと指摘した。同氏はその際、「それらが必要にならないことを期待している。『トマホーク』のことを考えることなく戦争を終わらせることができることを期待してる」と述べた。

同時に同氏は、無人機が紛争でいよいよ重要な役割を担っていると指摘し、「無人機戦争はこの戦争を通じて過去数年間で実に先端に出てきている」と述べつつ、同時に戦闘機の優位についても言及した。同氏は、「ジェット機とは何も比べられない。(中略)私たちはイスラエルに向かって発射された多くの無人機を撃墜した。非常に迅速で強力な航空機がそれらを妨害したのだ」と述べた。

追加(17日23:14):トランプ大統領の発言を追加