ウクライナ空軍、前線隣接地域の防空について解説
ウクライナ空軍司令部のイフナト・コミュニケーション局局長は26日、前線の全域にわたって切れ目ない防空の「盾」を構築することは、現在技術的に不可能だとしつつ、ウクライナの防空システムは、機動性、戦術的な柔軟性、そして囮(おとり)の使用により、引き続き効果的に機能していると発言した。
イフナト局長が、テレビ番組出演時に、前線地域の防空システムの強化可能性に関する質問に答える形で発言した。
イフナト氏は、「何も突破しないような、そのような『盾』を作りたいと強く思っているが、しかし、それは極めて難しい。前線隣接地域の防空を強化することは、それを固定するという意味では、そもそも不可能だ。というのも、防空は各州に存在するからだ。防空は前線隣接地域を保護しているが、それが活動する際に機動的でなければならない」と指摘した。
また同氏は、前線隣接地域の自治体をカバーする防空システムは、絶えずその位置を変え、機動戦術を用い、また敵を欺くために偽の目標、とりわけ模型による囮を使用していると説明した。
その際同氏は、「敵は当然ながら航空偵察を行っており、防空がどこにあるかという情報は、彼らにとって価値が極めて高い。そのため、私たちは、とりわけ防空システムが稼働した前線隣接地域で、動画を拡散しないよう呼びかけているのだ」と述べた。
同氏はそして、「アイリスティー」「ナサムス」「パトリオット」といった現代的な防空システムが供給されていることで、防空の効率が高まっていると強調した。また同氏は、これに加えて、無人機「レイヴン(Raven)」のような小規模な手段も重要な役割を果たしており、それらが連携して多層的な防空体制を形成していると説明した。