「独政府はウクライナに歩兵戦闘車を提供し始めるべき」=独議会防衛委員長

ドイツ議会のシュトラック=ツィンマーマン防衛委員会委員長(自由民主党所属)は、ドイツ政府に対して、ウクライナに対する戦車供与の立場を見直すよう呼びかけた。

シュトラック=ツィンマーマン防衛委員長が南ドイツ新聞にコメントした

シュトラック=ツィンマーマン氏は、「私たちは、今こそウクライナへと歩兵戦闘車の移転を始めて、速やかに操作訓練を始めるべきだ。(中略)私たちは確実に今動かねばならない」と発言した。

同氏はまた、フランスによるウクライナへの仏製軽戦車AMX-10RCを提供する決定を「肯定的」だと評価した。

さらに同氏は、ドイツの歩兵戦闘車マルダーは弾薬とともに、ドイツ軍の倉庫に十分なだけの数があると指摘した。

なお、マクロン仏大統領の今回のAMX-10RC提供の決定は、ショルツ独首相への圧力を強めるものとなっている。ショルツ氏はこれまで、戦車レオパルド2や歩兵戦闘車マルダーのウクライナへの提供を拒否する際に、北大西洋条約機構(NATO)内の同盟国がそのような提供を行っていないことを根拠に、ドイツが最初に提供を行うことはないと説明していた。

また、4日には、バイデン米大統領もまた、米国が歩兵戦闘車M2ブラッドレーのウクライナへの提供可能性を検討していると認めている。

ウクライナは、過去数か月にわたり、ドイツに対して、戦車の提供を求めていたが、ドイツ政府は拒否し続けていた。同時に、本件については、与党の間でもショルツ独首相に対する圧力が強まってきている。

写真:Michael Kappeler/dpa