ロシアはドンバス一部地域のOSCEの監視活動を最小化しようとしている=EU

東部情勢

欧州連合(EU)は、ウクライナ東部のウクライナ政府が管理できていない地域にて欧州安全保障協力機構(OSCE)ウクライナ特別監視団(SMM)の活動をロシア連邦が最小化しようとしていることを懸念している。

10日、ウィーンのOSCE常設理事会会合の際に、EUがロシアの対ウクライナ侵攻・クリミア占領に関する声明を発出した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

EU声明には、「私たちは、ロシアによるウクライナ非政府管理地域におけるSMMのプレゼンス最小化の行動継続を懸念している。私たちは、最近、ロシアにより支援される武装集団が、SMM要員のコンタクト・ラインの越境を認めないというSMMの報告がますます頻繁に聞かれ、私たちは懸念している」と書かれており、最近もルハンシク州で繰り返し、ドネツィク州で2回越境が認められなかったことが報告されたことが喚起されている。

EUはまた、OSCE議長とOSCE事務総長が以前に発出した、SMMの活動妨害への非難声明への支持を表明した。声明には、「EUは、SMMの重要なマンデート履行を完全に支持しており、ロシア連邦に対して、自らの義務を履行し、SMMの作業に関するあらゆる制限を速やかに解除するよう要請する」と書かれている。

その他EUは、ミンスク諸合意における「ウクライナとロシアの国境隣接地域への安全圏創設を含む、OSCEによる現在ウクライナ政府がコントロールできていないウクライナ・ロシア間国境の恒常的な監視と検証」の重要性を指摘した(編集注:2014年9月5日付ミンスク議定書第4条)。

なお、ウクライナ東部に駐留するロシア連邦占領軍は、11月以降、OSCE・SMMパトロール要員の衝突ラインの越境を繰り返し妨害している。

11月27日、リンデOSCE議長(スウェーデン外相)とシュミドOSCE事務総長は、ウクライナ東部のロシア武装集団によるOSCE特別監視団(SMM)のパトロールのための移動に対する制限を行わないよう呼びかけている