米国の新安保戦略は欧州に自らの防衛への投資の必要性を確認させるもの=メルツ独首相

ドイツのメルツ首相は11日、米国の新たな安全保障戦略と同国政権の行動は、欧州の自らの防衛力への投資の必要性を再確認させるものだと発言した。

メルツ首相が、ベルリンでのルッテNATO事務総長との会談後に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

メルツ氏は、「先週私たちが受け取った米国の新たな国家安全保障戦略は、私たちが正しい道を進んでいることを認めるものだ。ドイツと欧州が現在、自らの力に体系的に投資していることは正しい。(中略)それは、将来にわたり欧州の生活の自由、安全保障、繁栄を維持するための前提条件だ」 と述べた。

その際メルツ氏は、そのことはハーグでのNATO首脳会談で非常に明確になったと述べた。同氏は、米国は新たな安全保障戦略の中で、NATOに対して「非常に肯定的な言葉」をいくつか示しているものの、他の問題についてはかなり批判的な見解を示しており、欧州は現在それを分析していると指摘した。

同氏はさらに、ワシントンにおいて「機構としての欧州連合(EU)が適切に受け止められていない」ことにも注意を促した。そして同氏は、6月にワシントンを訪問した際、トランプ大統領にEUの歴史と設立の経緯を説明しようとしたが、「米国政府は、EUを国家連合として理解することが非常に難しいようだ」と感じたと述べた。

同時に同氏は、欧州が米国と自らの利益のために、「修辞を超えて」協力できるところでは、協力していくとも述べた。その際同氏は、それは特に、ウクライナにおけるあり得る平和確立に向けた現在の集中的な取り組みに関連するとしつつ、それはNATOの将来にも関わることだと指摘した。同氏は、ドイツ政府にとって、欧州のNATOにおける外交・安全保障政策の柱を強化することは「絶対的な優先事項」だと訴えた。

そして同氏は、今後欧州を「困難な年月」が待ち受けており、実際のところ「これまでとは何もかも同じではないという意味での、転換点」にあるとの確信を示しつつも、同時に、 「私たちは、圧力下でも団結を保ち、誰にも何にも分断されない、単一で強力な欧州として行動していくだろう」と強調した。