ロシア武装集団、OSCE監視員の移動妨害を継続=報告書

ロシア武装集団の戦闘員は、ドネツィク・ルハンシク両州の検問地点にて、欧州安全保障協力機構(OSCE)ウクライナ特別監視団(SMM)の移動を引き続き妨害している。

4月22日付SMMスポット報告書(第16/2020)にて報告されている

報告書には、4月21日と22日に、武装集団構成員がSMM要員による非政府管理地域への入域の試みをまたしても禁止したことが書かれている。移動妨害が発生したのは、ドネツィク州で2回、ルハンシク州で1回とのこと。更に、非政府管理地域から政府管理地域への出域の禁止も、ドネツィク州で1回、ルハンシク州で1回発生したと報告されている。

発生した場所は、スタニツャ・ルハンシカ(ルハンシク州東部)近くの橋の南方の武装集団側検問地点で2回(21日、22日)。通行妨害の理由としては、COVID-19により通貨検問地点が閉鎖されているからだと説明があったと書かれている。

また、22日にホルリウカ(ドネツィク州非政府管理地域)近郊でも発生。道路に釘が置かれ、その先には地雷が設置されているとの警告が表示されていたという。同地点には武装集団構成員の姿は確認されなかったと書かれている。

その他、21日にオレニウカ(ドネツィク州非政府管理地域)にて、2回(非政府管理地域入域時と出域時)発生。その際、武装集団構成員は、1回目は「上級構成員の許可の取得が必要」と述べ、2回目はCOVID-19による防疫制限だと述べたとのこと。

SMMは、報告書にて、武装集団側の最近の定期的なSMM移動禁止行為は、ドネツィク州では3月21日から、ルハンシク州では3月23日から始まったものだと喚起している。

SMMは、「このようなSMMへの衝突ライン横断制限は、SMMが持つウクライナ全土でのマンデートの履行を阻害している」と強調している。

写真:OSCE/SMM