露武装集団、OSCE監視団の被占領地アクセスを許可せず=SMM報告書

3月23日、ウクライナ東部のロシア武装集団戦闘員は、欧州安全保障協力機構(OSCE)ウクライナ特別監視団(SMM)の監視要員のドンバス地方被占領地へのアクセスを認めていない。

23日、SMMが緊急報告書を公開した

報告書には、「3月23日、武装集団構成員は、SMMによるドネツィク州非政府管理地域への越境の2回の試みを拒否、また、ルハンシク州にて1回の公式越境ルートを通じた越境を拒否した。SMMは、ドネツィク州にて初めて政府管理地域への出域を遅らされた」と書かれている。

とりわけ、同日午前9時20分、オレニウカ(非政府管理地域、ドネツィク市から南西23キロ)近くの検問地点にて、武装集団構成員が、マリウポリから来てドネツィクへ向かおうとしたSMM監視要員の非政府管理地域へのアクセスを拒否。その際、武装集団は「検問地点は封鎖」していると述べたという。

同日午前10時、クレミネツ(非政府管理地域、ドネツィク市から南西16キロ)近くの検問地点にて、武装集団構成員が、ポクロウシクからドネツィクへ向かおうとしたSMM監視要員の非政府管理地域へのアクセスを拒否。武装集団は同様に「検問地点は封鎖」していると述べたとのこと。

更に報告書には、午前8時30分、クレミネツ近く検問地点にて、武装集団構成員がドネツィク市からクラマトルシクへ向かおうとしていたSMM監視要員の政府管理地域への出域アクセスを初めて拒否したという。同様に、「検問地点は封鎖」していると言われたと書かれている。SMMはその際、武装集団構成員のランクの上の構成員に対して状況を伝え、その後午前11時40分になり、政府管理地域への出域が認められたとのこと。

また、ルハンシク州でも同日午前11時10分、スタニツャ・ルハンシカ橋の南の武装集団検問地点にて、武装集団構成員がSMM監視要員の非政府管理地域へのアクセスを拒否。「誰もアクセスを認められていない」と伝えられたと報告されている。

SMMはまた、21日と22日にも、オレニウカとヴェルフニョシロキウシケ近くの検問地点(非政府管理地域)にて、武装集団構成員に非政府管理地域へのアクセスを認められなかったことを報告している。

その上でSMMは、同日のさらなるアクセス拒否・遅延は、SMMのコンタクト・ラインの自由な横断の制限となっており、SMMの有すウクライナ全土を対象とするマンデートの履行の障害となっていると報告した。

写真:SMM