米国、INF全廃条約へのロシアの違反に関連し、ウクライナとも防衛協議

ロシアによる中距離核戦力(INF)全廃条約への違反は、多くの国の国益に影響を与えている。アメリカは、ウクライナ首脳陣とも関係する防衛問題の協議をしている。

16日、北大西洋条約機構(NATO)本部における記者会見で、アンドレア・トンプソン米国務省次官(軍備管理・国際安全保障担当)が、ウクルインフォルムの特派員からの質問(ロシアがウクライナに対して『即時壊滅』という脅迫を恒常的に行っていることは、アメリカやNATO内の同盟国にとって、ウクライナの対ミサイル防衛確立を支援する十分な理由にはならないのか)に答えて発言した。

トンプソン次官は、「これまで同盟国との会談で強調してきているが、本件(編集注:ロシアのINF全廃条約違反)は、欧州だけの問題ではなく、NATOそしてパートナー国にとってのグローバルな問題である。現時点で、私たちは、情報交換システムの補完、つまり同システムをより意味のあるアクセスしやすいものにし、我々が所有する情報をパートナー国・同盟国が得られるようにするために、努力を続けている。防衛分野において行われ得るステップについては、現在深く立ち入るべきではない。ウクライナは、我々の重要なパートナー国であり、私たちは、防衛問題の解決をあなた方の首脳陣と直接検討している」と指摘した。

また、トンプソン次官は、最近ジュネーブにて、ロシアの外務次官との会談があったが、ロシアをINF全廃条約履行に回帰させるという観点では意味ある結果はもたらさなかったと伝えた。その上で、同次官は、ポンペオ国務長官が、ロシアに対して60日以内に条約違反の状態を是正するよう要求したことを喚起した。この期間が過ぎようとする中、もしロシアがINF全廃条約履行に回帰しない場合、アメリカは条約義務履行を停止することになる。

トンプソン次官は、「私は、ジュネーブにてロシア代表者に、あなた方はミサイルとINF条約を同時に手にすることはできない、この二つは相反するものである、と述べた」と強調した。