OSCE無人機、被占領地ドンバスで再びジャミングを受ける

欧州安全保障協力機構(OSCE)特別監視団(SMM)の長距離無人機(UAV)が、11月8日夜間、ドネツィク州被占領地域のコルスン付近で極めて強力なジャミング攻撃を受け、UAVの操縦が一時失われかけていたことがわかった。

10日付SMM最新報告書にて説明されている。

報告書には、「SMMの長距離UAVは、深刻なジャミングを受けた。同長距離UAVは、11月8日夜間、コルスン(非政府管理地域、ドネツィク市から北東31キロメートル)近くの地区上空を飛行中、一時的にGPSシグナルを失った。調査の結果、原因はジャミングである。事件は、特別に深刻なものと評価している。なぜなら、操作と通信のシステムのほとんどが(バックアップ・システムも含め)、地上の操作地点とUAV間の間で機能しなくなったからである」と記述されている。

SMMは、深刻なジャミング攻撃を受けたにもかかわらず、「同UAVが緊急モードに入り、ジャミングを受けた地点を去った後」、操作チームが同UAVのコントロールを回復することに成功したと報告した。

また、報告書には、2016年6月にもSMMの長距離UAVが武装集団支配下にあるコルスン上空を飛行中に消失したことが喚起されている。

これまでの報道にあるように、10月27日未明、SMMの長距離UAVが、ドネツィク州非政府コントロール地域に位置するカリノヴェ(ドネツィク市東方72キロ)付近の上空を飛行中、地対空ミサイルシステム9K33「オサ」とニジュニョクリンシケ(ドネツィク市東方66キロ)にて燃料輸送用タンクローリー車を発見。同日午前1時36分、同UAVは、ロシアとの国境付近の近くに国境検問地点のない未舗装道路にて7台の輸送車からなる車列を発見。その後、同UAVがニジュニョクリンシケ付近を飛行していた際、SMMは同UAVとの通信を完全に失った。

11月8日、欧州連合(EU)加盟国と他の欧州国からなる約40国が、SMMが発表したUAV消失調査の報告書をもとに、この10月27日のSMM・UAV撃墜事件はロシアと同国が支援する武装集団に責任があるとする声明を発出していた。