ウクライナ市民汚職対策評議会、「ファイア・ポイント」社の部分的国有化・監査、ウメロウ安保会議書記の解任を呼びかけ 

ウクライナ国防省付属の市民汚職対策評議会は29日、報道機関による大汚職スキャンダル「ミダス」に関連するさらなる報道を受け、ウクライナ在住者が保有するファイア・ポイント社の部分的国有化を開始するよう要請した。

市民汚職対策評議会がフェイスブック・アカウントで声明を公開した

声明には、汚職対策機関が保有する資料から、ウメロウ前国防相(現国家安全保障国防会議(NSDC)書記)が「ファイア・ポイント」社の事実上の所有者をミンジチ氏であると考えていることが判明したと書かれている。全てのデータは、ミンジチ氏が実際に同社の受益者の1人であるか、あるいは唯一の真の受益者であることを明白に示しているという。

評議会は、この事実が法的に確認されれば、ミンジチ氏が制裁リストに含まれているために、「ファイア・ポイント」社はウクライナ防衛戦力への製品供給能力を完全に失うことになると指摘している。

また評議会は、「ファイア・ポイント社が受益者に関して意図的に虚偽のデータを提供したことは、現在すでに明らかである。その結果として、同社は罰金を科され、供給業者としてのリスクステータスを付与されるべきである。したがって、私たちは複雑で多層的な問題を抱えている」と訴えた。

さらに評議会は、法的には、制裁対象の実業家は現在も当該企業とは何ら関係がなく、裁判や控訴が続く限り、理論上は何年もの間その地位に留まる可能性があるとしつつ、同時に事実上は、社会全体がミンジチ容疑者とファイア・ポイント社の繋がりを確信していると指摘した。同評議会は、そのことは、ウクライナ国民のみならず、国際パートナーの意識にも定着することになると警告した。

評議会はそして、現在、ウクライナ政権はファイア・ポイント社の製品を積極的に利用しているウクライナ防衛戦力にとって最もダメージの少ない戦略を選択すべきだと強調している。同時に、法律の全ての要件を遵守しつつ、問題の道徳的な側面も非常に重要だと訴えた。

加えて評議会は、「国家首脳陣は、自らの地位や役職、人脈を私腹を肥やすために利用した人物たちとの、過去及び現在の友好関係から完全に決別する義務がある」と強調した。

評議会は、ウメロウ氏の行為を職権乱用(ウクライナ刑法典第364条)の兆候があるものと解釈し、また「イスラエル製防弾チョッキ」及びファイア・ポイント社の事例におけるミンジチ氏の利益誘導については、職務上知り得た、あるいは職務を通じて知ることになった国家機密の漏洩(刑法典第328条)にあたると見なしていると表明した。

さらに評議会は、ミンジチ氏の行為について、影響力行使の濫用(刑法典第369-2条)及び資金の目的外使用の教唆(刑法典第27条第4項、第210条)の兆候があるものと解釈していると表明した。

これらに関連し、評議会は以下の事項を呼びかけている。

・ウメロウ氏を直ちに国家安全保障国防会議(NSDC)書記の職から解任すること。

 ・ゼレンシキー大統領はNSDCの議長として、ウクライナ居住者が保有するファイア・ポイント社の選択的(部分的)な国有化プロセスを開始すること(評議会はこれにより、一定の条件の下で、汚職に関与した人物を肥やすことなく、戦線への製品の絶え間ない供給を継続することが可能となると主張)。

・国防省は、ファイア・ポイント社の製品を使用するウクライナ軍参謀本部、各軍種の代表者、汚職対策・捜査機関による作業部会を設置し、同社の契約及び価格形成に関する包括的な監査を実施し、ウクライナ防衛戦力への悪影響を最小限に抑えること。

そして評議会は、問題の迅速な解決のために、当該グループの活動に参加する準備があることを表明した。

これに先立ち、ウクライナの報道機関「ウクラインシカ・プラウダ」は、エネルギー分野の汚職犯罪疑がかかっており、ウクライナの制裁対象となっている実業家ティムール・ミンジチ氏の自宅で「ミダス」事件捜査の一環で国家汚職対策局(NABU)が記録した会話の一部を公開した。そこには、ゼレンシキー大統領の元第一補佐官シェフィール氏、住宅組合「ディナスチヤ」の家屋建設を管理していると思われるナタリヤ氏、及び現NSDC書記のウメロウ氏ら数名との会話が含まれている。

写真:市民汚職対策評議会