ウクライナ捜査機関、国会議員に容疑を通達 報酬による競合他社への制裁手配を提案
ウクライナの保安庁(SBU)、国家汚職対策局(NABU)、汚職対策特別検察庁(SAP)は4日、最高会議(国会)議員が率いる犯罪グループをキーウで摘発した。捜査情報によれば、このグループのメンバーは、企業代表者に対し、25万ドルと引き換えに、競合他社に対して国家安全保障国防会議(NSDC)により制裁を発動させるよう手配することを提案していた。
SBU広報室が伝えた。
発表には、「事件資料によれば、不正報酬の金額と引き渡し時期についての交渉において、関与者たちは支払いを2回の分割払いとすることで合意した。彼らは、用心深さと、不正報酬の全額の徴収を保証するために、企業代表者に対しては、あたかも金銭を借りたかのような借用書を書くことを指示した」と説明されている。
SBUとNABUの職員は、キーウの中心部で、仲介者が1回目の贈賄となる12万5000米ドルを受け取った事実を記録したという。
この分割された金銭の1回目受け渡しの後、この「依頼人」に対して、この資金は国家安全保障国防会議(NSDC)当局者に引き渡されるかのようにと伝えられていたという。
SBUは、「しかし、NSDCのメンバーにも他の当局者にも、資金は結局引き渡されなかった。なぜなら、関与者たちが違法行為を行うことに同意する人物を見つけることができなかったからだ」と説明している。
当該最高会議議員と同氏の共犯者たちの職場および住居の捜索中、犯罪の証拠が発見されたという。
SBU、NABU、SAPの職員によって収集された証拠に基づき、このグループの関与者たちには、ウクライナ刑法典第27条4項、第369条4項(特に責任ある地位を占める公務員に対し、公務員が職務上の地位を利用して贈賄者の利益となる行為を行うよう、事前に共謀したグループによる、不正な報酬の提供を教唆した罪)に基づき、容疑が通達されたと書かれている。
容疑者たちには、未決囚予防措置の選択が行われているとのこと。
これに先立ち、ウクライナの政権高官の汚職犯罪の捜査・訴追に特化した機関NABUとSAPは5日、ウクライナ最高会議議員が率いる犯罪グループを摘発したと発表していた。
ウクライナのアンナ・スコロホド最高会議議員は同日、自宅が汚職犯罪捜査機関の家宅捜索を受けていることを認めていた。