ウクライナ反汚職裁判所、汚職犯罪のナシーロウ元会計庁長官に禁錮6年の有罪判決

ウクライナの高等反汚職裁判所は10月31日、2017年に国家汚職対策局(NABU)により通称「ガス事件」と呼ばれる汚職犯罪容疑で拘束されたロマン・ナシーロウ被告人(元国家会計庁長官)に対して、禁錮6年の有罪判決を言い渡した。

市民団体「汚職対策センター」がフェイスブック・アカウントで報告した

裁判にてナシーロウ氏は、オレクサンドル・オニシチェンコ元最高会議議員の企業に有利になるような違法な決定を下したとされる事件で有罪と認定された。

センターは、「彼には禁錮6年と1万7000フリヴニャの罰金(刑法が定める上限)の刑が言い渡された。また、ナシーロフ氏は3年間、特定の役職に就くことができない」と書かれている。

同時に、同センターは、「彼の共犯者であるヴォロディーミル・ノヴィコウ氏は、裁判所によって無罪とされた」と伝えた。

センターはまた、被告から4400万フリヴニャを徴収する民事訴訟は、裁判所によって棄却されたと報告した。

加えてセンターは、「これで話が終わるわけではない。なぜなら、次に高等反汚職裁判所の控訴院が、2026年4月中旬までに判決に対する控訴を審理しなければならないからだ。もしそれが間に合わなければ、ナシーロウ氏は時効の到来により責任を免れることになる」と指摘した。

また、特別汚職対策検察(SAP)もフェイスブック・アカウントで、反汚職裁判所の裁判官団が、元会計庁長官が刑法第364条第2項に定められた犯罪を犯したとして有罪と認定し、罰金1万7000フリヴニャ、公職等に就く権利を3年間剥奪する処分とともに、禁錮6年の判決を言い渡したと報告した

裁判所は、法廷で直ちに身柄を拘束するよう決定したという。

これに先立ち、2017年、ナシーロウ元国家会計庁長官とノヴィコウ同局長が、重大な結果を招く職権濫用の容疑で起訴されていた。

捜査当局の主張によると、2015〜2016年の期間、ナシーロウ氏は、オニシチェンコ最高会議議員の企業に対して、地下資源の使用料としての支払いを国に支払わないことを許可していた。捜査によれば、ナシーロウ氏は、これらの行為で国に20億フリヴニャを超える損害を与えていたという。